2004年の10大科学・技術成果 

2005年1月13日に、中国科学院と中国工学院のアカデミー会員584人が2004年の中国の10大科学・技術成果を投票によって決めた。それは次の通り。

一、 1秒間に10兆回の演算が可能な超高速コンピューター・システムが稼動。中国科学院計算技術研究所、曙光公司、上海スーパー計算センターが共同で開発した曙光4000Aコンピューター・システムは、1秒間に10兆回の演算ができ、2004年11月15日に上海で正式に使用されることになった。これで、中国は10兆回の超高速コンピューターを製造できるアメリカ、日本に次ぐ3番目の国となった。

二、 最初の国産化商業用原子力発電所が稼動。中国が独自に設計、建造した、今後は中国が独自に管理する初めての大型商業用原子力発電所――秦山原子力発電所2期工事の2号ユニットが2004年5月3日に全面的な運営段階に入った。

三、 「西気東輸」(西部の天然ガスを東部へ輸送する)プロジェクトが正式運営を開始。4年間にわたる建設を経て、2004年12月30日に、総延長4000キロに及ぶ天然ガス輸送プロジェクトが正式に運営を開始した。「西気東輸」プロジェクトでは、7000あまりの技術難関が突破され、ハイテク手段と先進設備が採用されたため、プロジェクトの進展と質が確保された。

四、 中国最初の次世代インターネットが立ち上げられた。中国教育科学研究ネットワーク情報センター(CERNIC)は12月25日、CERNET2と呼ばれるネットワークを立ち上げたことを明らかにした。これは中国の次世代インターネットの構築が全面的に展開されたことを示すものである。

五、 「探測2号」衛星の打ち上げに成功し、「双星探測計画」を達成。2004年7月25日、「探測2号」衛星が太原衛星打ち上げセンターで打ち上げに成功した。これで、中国の科学者が1997年に打ち出した「地球空間双星探測計画」も本格的に実現された。この計画と欧州宇宙機関(ESA)の「星簇計画」(CLUSTER)の合同探測プロジェクトは、宇宙空間に対し人類史上初めての「6点立体探測」を行うことになる。

六、 「スーパー・スイッチ」と呼ばれるナノ材料の開発に成功。「光」と「温度」の調節を通じてナノ材料の表層の超疎水性と超親水性を転換できる「スイッチ材料」が中国科学院化学研究所によって開発され、機能ナノ材料研究分野における重要な進展と見られている。

七、 高精度水中位置測定・誘導システムの開発に成功。中国測量製図科学研究院が開発した中国初の高精度位置測定・誘導システムは、水深45メートルの水域での水平位置測定の精度が5センチ、深度測定の精度が30センチに達するものである。中国はこれでアメリカ、フランス、ドイツについで水中測定先端技術をもつ数少ない国の一つとなっている。

八、 膜蛋白結晶体の構造を解明。中国は光合成構造研究分野における「ホウレン草の光を受け入れる主な複合物(LHC-Ⅱ)の結晶体構造」という課題で重要な成果をあげた。これは中国の科学者たちが6年を費やして率先して解明した重要な光合成膜蛋白の結晶体構造であり、世界で公認され、世界先端レベルの成果である。

九、 量子情報実験分野で重要な突破。中国科学技術大学は五つの粒子の絡み合い状態および末端開放の量子状態テレポーテーションの実験に成功した。これは世界でも初めてのことであり、多粒子絡み合い状態の研究分野で中国が国際レベルに達したことを示すものである。

十、 中国海域における石油・天然ガス資源についての戦略的調査で重要な突破。中国の海域で行われた石油・天然ガス資源についての最新の戦略的調査によると、石油・天然ガス資源の埋蔵量は400億トン以上もある。とりわけ南中国海の深海水域で初めて巨厚中生代地層が発見され、堆積層の厚さは1万メートルを超えることがわかった。今回の発見はさらに深海水域で石油・天然ガス資源を調査するための方向を明らかにしたものである。

「チャイナネット」2005年10月28日

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