胡錦涛国家副主席(中国共産党中央政治局常務委員)は5日午後、第9期全国人民代表大会(全人代)第4回会議のチベット代表団による討論に参加した際、「チベットの安定や発展は、チベット各民族の根本的利益に直接影響するだけでなく、中国の社会主義現代化建設全体にも直に影響を及ぼす」と強調した。チベットの林芝(リンジー)や日喀則(シガツェ)、拉薩(ラサ)、阿里(アリ)などから集まった全人代代表が順番に発言した。代表らは、朱鎔基総理の「『第10次5ヵ年計画』要綱についての報告」は、中国が過去5年間に上げた成果を事実に即して評価したものだという見解を示す一方、現在の経済や社会発展が向き合うべき課題や問題点を明確に指摘した。代表らは、「第10次5ヵ年計画」要綱の草案が提案する発展目標や目標実現に向けた施策は、大いに人心を鼓舞するとの考えを明らかにした。特に、青蔵鉄路(青海省―チベット間を結ぶ鉄道)が間もなく着工するが、これによりチベットの長期的発展が強力に促されるだろうと述べた。
胡副主席は「現在は、チベットが平和的に解放されてから、最も安定、発展している時期である。分裂活動に反対し、安定を維持することは、厳粛な政治闘争であり、重要視すべきだ。分裂活動を法にもとづいて厳しく取締り、正常な社会秩序や生産活動、宗教秩序が守られるようにすべきだ。各民族に対して、特に青少年に対して、愛国主義や社会主義教育を広く行い、『社会主義こそがチベットの発展を可能にすること』、『各民族が強く団結して初めて、チベットの繁栄が可能になること』を認識させるべきだ。宗教業務の管理に対しては、正常な宗教活動や宗教界の合法的権益保護に努める一方で、宗教を利用した違法活動を徹底的に防止し、法にもとづいた処罰を課すべきだ」と述べた。
胡副主席は、チベットが西部大開発という歴史的チャンスを生かし、急速に発展するための新たな道を積極的に模索し、チベット経済の飛躍的発展を実現して、内陸部との格差を徐々に縮めていくよう求めた。