全国人民代表大会環境資源委員会の曲格平主任委員は、このほど記者の取材を受けた際、「第9次5ヵ年計画」(1995〜2000年)期に、国が生態環境の保全のために4つの事を着実に実行したおかげで、現段階の生態環境保全の面でかつてない良好な状況に恵まれるようになった、と語った。
この4つの事は次のとおり。
一、 1998年の水害の後、大河川の洪水を防ぐ堤防の建設を重視するようになったこと。これまでにすでに3万㌔余りの河川堤防、6000㌔余りの海岸堤防が建設され、236の都市の洪水防止施設が所定の基準に達するものとなった。1998〜2000年の3年間に、国は水利施設の建設に1000億元近くを投下し、これは一般年度の3倍ないし4倍にあたるものである。それと同時に各地方政府も洪水防止のための建設への資金投下を増やした。これらは人々の生命財産の安全や国の長期的安定に重要な意義をもつものである。
二、 天然林伐採を全面的に停止させたこと。森林資源を保護し、森林の被覆率を増大することなどは、長年叫ばれてきたが、天然林は依然として絶えず伐採されていた。1998年の洪水のあと、国は断固とした措置をとり、長江上流と黄河上・中流の天然林の伐採を確実に禁止したため、9億ムー(1ムーは6.667アール)以上の天然林資源を保護することができた。その他の地方も相次いでこれに呼応し、現在17の省、自治区、直轄市が森林伐採の禁止を決定した。これによって林業資源の保護の面で実質的な歩を踏み出すことになった。
三、 西部大開発において、生態環境建設が第一の位置に置かれ、「耕地を樹林、草地に戻し、山を封じて緑化し、食糧を救済にあて、個人で請負うこともできる」という着実な政策が打ち出された。これらの積極的な措置は、自然環境の悪化する局面を一変させた。これは山紫水明の環境を建設する根本的な措置であり、史上かつてなかったことであり、中国の生態環境保全における歴史的転換であり、高く評価すべきことである。現在、中国の生態環境建設はすでに初歩的な効果を上げ、17の省、自治区、直轄市の188の県が耕地を樹林、草地に戻すプロジェクトを始動させており、1130万ムーの耕地が樹林、草地に戻され、813万ムーの荒れた山々で造林がおこなわれ、幸先のよいスタートとなっている。
四、 全国的範囲で汚染対策への取り組みを展開し、淮河、海河、遼河、太湖、巣湖、滇池、北京市、渤海および2つの酸性雨被災地域について重点的な整備をおこない、大きな進展を見るに至っている。工業固体廃棄物の排出は基本的に基準をクリアしており、全国23.8万の工業企業のうち、90%が排出の基準に到達している。
「チャイナネット」2001年3月22日