王志宝政協委員 生態環境の建設に関するいくつかの重要プロジェクト


江沢民総書記は1997年8月、「山河を再びきれいにしよう」と呼びかけた。この呼びかけを実行に移すために、朱鎔基総理は自ら16ほどの省を実地調査し、それに基づいて生態環境の建設に力を入れる一連の重要措置を打ち出した。全国政治協商会議委員、西部大開発弁公室副主任、林業局元局長の王志宝氏はチャイナ・ネット記者のインタビューを受けた際、次のように語った。

 1998年に中国南部で発生した水害は全国人民の目をさまし、森林資源の保護が当面の急務になっていることが社会全体に認められるようになった。生態環境の建設に力を入れるために、国務院は今後の一時期にいくつかの重要プロジェクトの建設を速めることを決定した。

 最初のプロジェクトは長江上流や黄河上・中流にある天然林の伐採をやめ、東北地区や内蒙古自治区にある国有重点林業区の木材生産量を大幅に減少することである。このプロジェクトは770余りの県に及ぶものであり、中国全土の7%を占める6000万ヘクタールの森林を保護するものである。1998年の下半期から2010年にかけて、国家の財政からの資金支出という形で約1060億元の資金が投入される見込みである。このプロジェクトの成功を保障するカギは林業労働者の再配置問題である。つまり、林業労働者をこれまでの伐採する者から造林する者と森林を保護する者に転換させることである。

 次の大きなプロジェクトは樹林を開墾して造成した耕地に再び植林・植草することである。このプロジェクトは耕地に再び植林・植草するだけでなく、国の政策による荒れ山や荒れ地の緑化も含まれている。中国政府はこのプロジェクトに特に力を入れている。まず、一定の期間内(とりあえず8年)に各地域の耕地の食糧の生産量にもとづいて農民に補助食糧を与えることになる。例えば、長江上流地域と黄河上・中流地域の農民は年間1ムー(約6.667アール)あたりそれぞれ150キロと100キロの食糧のほかに、1ムーあたり補助金20元、苗木を植える補助金50元をもらえることになっている。農民に荒れ山や荒れ地の緑化を続けさせるために、政府は苗木を植える費用を支払い、補助金が支給されるかぎり、植林を続けるよう農民たちに呼びかけている。農民たちに積極的にやってもらうために、さらに「造林して森林を保護する人たちは、それなりの利益を得る」という政策が実施されている。以上のような政策のおかげで、農民は積極的に耕地に植林・植草するようになった。

 このプロジェクトを成功裏に実施するため、厳しく抜き取り調査制度が設けられている。下級林業機構がそれぞれの農家の完成情況をチェックし、それに基づいて県レベルでは全面的調査、省レベルでは抜き取り検査、中央政府では審査をおこない、これらの一連の措置によって国の優遇政策の実現を保障する。

 三つ目のプロジェクトは東北地区の西部、華北地区の北部、西北地区の砂あらしのひどい地域およびチベット自治区を流れるヤルンズァンボ川中流の砂漠化の深刻な地域で、防砂・治砂プロジェクトを実施すること。中国では砂漠面積が毎年2460平方キロも増え、多くの畑や村を呑み込んでいる。治砂プロジェクトは人類が大自然から生存空間を奪いもどすための戦いである。具体的な内容は現在なお企画中で、初歩的な構想としては次の二つの方面のものがある。

一、現存する植被を厳格に保護すること。治砂プロジェクトはこれまで何回も行われてきたが、むしろ破壊のスピードの方が速かった。過度の荒れ地の開拓・乱伐と放牧のため、砂漠化が現われ、人間は砂漠が前へ伸びると後退することになった。植被の保護のために、中国政府は一連の措置をとることになっている。寧夏回族自治区や甘粛省に対して、甘草と「髪菜(色が黒い、スープの材料となる植物の一種)」の採取禁止の指示を出したのもその一つである。

二、すでに砂漠化した地域は、その具体的な情況によって対策をとること。草原が砂漠化した地域には人工植草、輪番放牧、放牧などを一定期間禁じる草原を造成する。流砂の丘ができた地域には植林・植草によって砂を定着させ、植被をだんだんと回復させる。砂漠化が進んでいる地域では喬木、潅木と草を植え、生物の隔離帯をつくる。そのほかに、砂漠の中のオアシスを保護すると同時にその面積を拡大することも考えられている。また、中国は昨年から北京・天津の周辺に砂あらしの源の治砂プロジェクトを始動させている。

中国の生態プロジェクトの建設に存在する諸問題に的をしぼって、王志宝氏は以上三つのプロジェクトの実施を確保するためのいくつかの措置について語ってくれた。

一、きちんと計画を立てて、造林に適した土地を選ぶ。西北地区では降水量が少なく、降雨量が200ミリ足らずの地域に植林・植草しても生育することができないので、自然の法則に違反することなく、造林に適した土地を選ばなければならない。

 二、科学・技術によって生育率を保障する。①旱ばつ地域に適した木や草の種類を選ぶ。例えば、降雨量が250〜300ミリの地域では干ばつに強い潅木を植える。②適当な整地方法で造林する。例えば、降雨を十分利用するため、雨水を集めて造林のために利用する。③先進的科学技術の成果、例えば、保水剤や根を生えさせる薬粉などを利用する。

 三、生態建設、経済発展、農民の収入の増加の関係を正しく処理して、科学的なモデルによって生態環境を整備する。農民の基本的生活を保証することに気を配らないと、成果をあげても長続きすることは不可能である。現在、末端の機構は実践の中でよいモデルを数多く探しあてている。例えば、荒れ山に経済林や生態林を混ぜてつくると、生態環境を改善させるだけでなく、農民の収入も保障できる、というのがそれである。それと同時に地勢の平坦な農地でインフラ建設を強め、科学的な耕作法を取り入れて食糧の生産量を増やす。

 王志宝氏は、生態環境を保護するために、山間地帯の緑化では経済林が20%を超えてはならないと特に強調した。

 生態環境の建設は、任重くして道遠しである。そのため、今後さらに二つの方面の仕事を重視しなければならない。一つは法律によって生態環境を整備すること。まず法律を厳しく執行すること。生態環境を整備するために、中国はすでに「森林法」「草原法」「水土保持法」など多くの法律を公布した。次は立法を強めることであり、防砂・治砂を推し進めるための「防砂治砂法」を目下検討中である。二つは発想を転換すること。中国の牧畜業はいまでも数千年前の放牧方式をそのまま続けている。春になって草が芽生えはじめたと思うと、家畜がどっと草原に押しよせて、草の根まで残さずかじられてしまう。もし人工植草したり、輪番放牧したりする方法をとれば、牧畜業の発展を促すだけでなく、環境を保護することもできる。また、西北防護林が破壊されている重要な原因の一つは、ヤギの放牧である。陜西省の延安市だけでも、数万頭のヤギが山の中で放し飼いされているので、緑に覆われた山はすでにハゲ山になってしまっている。延安市の呉旗県では樹木の伐採・家畜の放牧などを一年間禁じてからは、荒れ山は再び緑に覆われるようになった。したがって、発想を切り換えて、放し飼いという形を家畜小屋で飼育するように変えれば、牧畜業が発展できるし、環境を保護することもできるというウィン・ウィンの結果となる。

「チャイナネット」2001年3月27日