「朱鎔基総理が指摘しているように、農業と農村経済構造は今や、調整しなければさらに前に進むことができない状況になっている」と、全人大の代表、内蒙古自治区農業庁の党委員会書記・庁長の雲徳奎氏が記者のインタビューに答えて語った。
農業と農村経済構造の戦略的調整を推し進めることは、農業および農村における仕事の中心的任務であり、農民の収入を増やす根本的な手段でもある。このような戦略的調整は、農産物が売り手市場から買い手市場に切り換ってから、市場の需要にしたがって、農産物の質の向上や農業の経済構造の最適化を目標として、全面的かつ深くおしすすめることにある。
農産物の全国統一市場の形成や世界貿易機関(WTO)への加入につれて、自分たちの地域にのみ目を向けるのではなく、それぞれの地域の農業が自らの優位をつくり出し、発展の道をさがしあてるために、全国ひいては全世界の農業発展という大きな背景の中であらためて位置づけをおこなわなければならないのである。
内蒙古自治区の農業構造の調整は「特色+規模+グレード・アップ」に特に重点をおかなければならない。
一、われわれ内蒙古自治区の実情にもとづいて、特色のある農業を発展させること。わが自治区の広々とした土地、様々な農業生態モデルと軽い環境汚染は、緑の農産物を重点とする特色のある農業の発展により大きな可能性をつくり出している。したがって、われわれは生態の最適化という原則にもとづいて、自然条件と市場の需要を結びつけ、農業の分布配置を最適化することを目指している。まったく適していない地域はだんだん淘汰し、あまり適していない地域を減少し、適している地域で農作物の栽培を発展させるのである。こうして各種農産物を優位のある地域に集め、全自治区に食糧・経済作物の八大栽培区を作り上げるのである。そのほかにさらに自治区の特色のある水産業や牧畜業を発展させなければならない。
二、経営の規模化を目指すこと。今や、各農家による小規模生産モデルとクローバル化した大市場の間の矛盾が非常に際立ってきているので、農業・牧畜業の生産・販売の組織形態を模索することが新たな課題となっている。わが自治区はいろいろなタイプ、さまざまな所有制の産業化した農業のリーダー企業の発展を奨励し、市場の需要にもとづいて、企業に農産物の生産、加工、販売と輸出の基地を建設させるとともに、優良品種や新しい栽培・養殖技術を導入させ、買付・販売契約の締結や保護価格による買付、農民の株式参加を誘致するなどの形によって、農民と利益共同体をつくるようにし、農業の規模化経営を形成させる。
三、農産物のグレード・アップを目指さなければならない。人々の農産物に対する需要は、数量から言えば有限のものであるが、品質に対する要求は無限である。現在、人々が汚染されていない食品や健康食品を求めていることは、わが自治区が緑の産業の発展のためにビジネス・チャンスをもたらしている。われわれは緑の食品の品質基準を厳格に守り、品質に対するモニタリングとコントロールを強化しなければならない。そして、同時にまた、緑の食品の生産・加工技術のさらなる研究、開発や普及、応用を速めなければならない。また、ブランドを創り出す意識を強化し、リーダー企業を育て上げ、国内外の市場でかなりの知名度のある、より強い競争力をもつ農産物を育成し、発展させなければならない。
この目標を達成することはかなり難しい。内蒙古自治区は経済的基盤が軟弱で、技術も資金力も不足しており、情報とサービスのシステムがまだ完備しているとはいえない。そのため、農村経済の市場化への転換、農業の戦略的構造調整の中で、政府のしなければならないことはまだたくさんある。
「チャイナネット」2001年3月29日