歴史を歪曲し、侵略を美化することは許さない

日本の右翼団体である「つくる会」が編纂した2002年版の中学校歴史教科書がこのほど日本政府の検定に合格した。歴史を歪曲し、侵略を美化する教科書の検定は21世紀の今日になっても、日本右翼勢力が依然として軍国主義を美化することを忘れていないことを物語っている。日本政府が中国側の何回もの厳正な交渉をかえりみず、日本国内とアジア各国の正義の声を無視し、同教科書の合法的な出版を認めたことについて、中国人民はおおきな怒りを表した。

20世紀80年代に教科書問題が二回起きたが、今回はそれに次ぐ歴史認識上のゆゆしい事態である。このことは、日本国内にはいまだに侵略の歴史を否定、美化する右翼勢力が存在し、その動きもかなり頻繁であることを改めて表している。歴史的な原因で日本は過去の侵略戦争に対して真剣に反省することがなく、侵略を鼓吹する「皇国史観」が徹底的に否定されていないため、日本の社会ではなが年来歴史に対する認識において是非曲直を見分けずに、右翼勢力が侵略戦争を否定し、軍国主義を賛美するその言動が追究されず、侵略を美化し、歴史を歪曲する言論が氾濫し、正義を主張する人びとが差別視されてきた。日本の右翼勢力は人数は多くないが、頻繁に活動を行っている。近年来、かれらは長期間の経済の低迷や民衆の精神的不振などを口実に「民族自虐」に反対し、民族のプライドを回復するスローガンを打ち出し、日本を再び軍国主義化の深い淵に導こうと企てている。この危険な動向に対して日本人民を含め全世界の平和を愛する人びとは警戒心を持つべきである。

指摘しなければならないのは、このような重大な問題のある教科書が最終的に検定にパスしたことについて、日本政府には回避できない責任があるということである。日本の検定制度によれば、教科書の内容は著述者によって決められるが、検定にパスできるかどうかは日本政府によって決定される。今回の教科書の検定過程において、日本政府は、1982年に公約とした「隣国規定」および1995年当時の村山首相が日本政府を代表して発表した談話に基づいてアジア各国の人々の感情に配慮して教科書問題に対処するとか、右翼学者の歴史観は日本の極少数の人たちのもので、国民の意思を代表できないとか、度重ねて表明している。日本政府のこうした態度はまだ耳元にこだましているようであるが、この歴史を甚だしく歪曲し、アジアの被害をこうむった国々の人々の感情を傷つける教科書があろうことに、政府の検定にパスしたのである。自分の公約に明らかに違反した日本政府のやり方を目にして、人々は歴史問題に関する日本当局の本当の立場について疑いを抱かないわけにはいかない。

学校教育は未来の国民を培う重責を担っている。教科書の編纂と検定は若い世代の歴史観と一国の現在と未来に関わるものである。19世紀末から20世紀中葉にかけて、軍国主義の「皇民教育」はいく世代もの善良な日本の民衆を毒した。彼らは甘んじて侵略の戦場に赴き、戦争の犠牲者になり、日本にも未曾有の災禍をもたらした。今日になった今では、もし続けてこんな「皇国史観」を宣揚し戦略を美化する教科書を学校に登場させれば、日本の青少年をゆゆしく毒するばかりか、日本が続けて平和発展の道を歩むことを妨げることにもなるだろう。国を誤り、民を害し、日本国民の根本的利益を損うことになるのである。

日本軍国主義者が起こした侵略戦争の歴史を正しく認識し、それに対処することは、中日関係の政治的基礎である。歴史を正視し、歴史をかがみとしてこそ未来に目を向けることができるのである。日本政府が侵略を美化した教科書の出版を許可したことは、中国の人々の感情をひどく傷つけ、中日関係の健全な発展を妨害することになった。われわれは、日本政府に自分の公約を確実に守り、中日関係の大局を大切にし、適切な措置をとって、悪影響を取り除き、中日関係が新たな世紀において健全な発展を遂げられることを強く求めるものである。

「チャイナネット」2001/04/06