現代化した新しいラサ
陳 蓬
5月22日、李昌安中国共産党ラサ市委員会常務委員、常務副市長は、中央記者団のインタビューに応じ、近年来のラサ市の都市建設の総体的状況および未来の都市建設計画について次のように語った。
半世紀前のラサは、チベットの区都であったにもかかわらず、市街区総面積は3平方㌔以下で、人口はわずか2万余りで、自動車道路は一本もなく、あちこちで物乞いする人の姿が見かけられ、悪臭のする水があちこちで流れ、現代的都市建設ということにはまったくほど遠いものであった。ところが、2000年には、市街区面積は53平方㌔、人口は約23万人(流動人口を含まない)になっている。ラサは1300年の歴史があり、古い文化と新興の現代的雰囲気が融け合っている。ラサの総体的計画に基づいて、2015年には市街区の面積は274平方㌔になり、第10次5ヵ年計画の終りごろには70平方㌔に達し、人口は30万人を上回ると見られている。
建設の面で、昨年、ラサ市の国内総生産(GDP)は40億元に達し、第9次5ヵ年計画期と比べて倍増し、財政収入は1億8000万元で、都市部住民家庭の年間1人当たりの純収入は7300元、農民・牧畜民の1人当たりの純収入は1700元で、それぞれ第8次5ヵ年計画の終りごろより79%、78%増えた。
「1987年の貧困脱却難関攻略計画」に基づき、97%以上の貧困家庭がすでに貧困から脱却し、衣食の問題を基本的に解決し、一部の家庭はまずまずの生活を送るようになっている。第9次5ヵ年計画期には、全市の固定資産は26億元に達した。
現在のラサの都市規模はそれほど大きくはないが、過去に比べるとすでに天地をくつがえすほどの変化が生じている。政府は統一的に都市の発展計画を制定し、協調させ、都市の発展計画をめぐって、PRへの取り組みを強めている。同時に社会各界に働きかけて共同投資を行い、政府を主導として、北京市、江蘇省など一対一の省・直轄市の支援の役割を生かすことに努めている。
近年来のラサ都市建設の主な特徴は次のとおりである。
一、都市機能の建設をめぐって、インフラ施設を整備し、道路の基盤建設を強化している。ゴミ処理工場、汚水処理場、西郊外の浄水場、都市環境衛生整備など、インフラ施設の建設を次第に充実させ、地下パイプ網の建設もすでにラサ市の第10次5ヵ年計画に組み入れられている。これらのインフラ施設の建設は、政府の投資を中心として、市の財政から一部を支出するが、主に政府の資金投入と省・直轄市の一対一の支援に頼るものである。
二、15の住宅団地を新規建設し、団地の整備を行う。一部の団地はすでに自治区の文明的な団地となっている。今年、政府は団地の整備に力を入れることになる。
三、都市建設の中で文化財の保護を重視する。ラサには1300年以上の歴史があり、チベット王のソンツァンガンボが都をラサに置いてから、ラサはチベットの政治、文化の中心になり、チベット仏教の聖地ともなっている。ラサは国務院が公布した第一陣の歴史文化都市で、ポタラ宮、チョカン寺はいずれも世界文化遺産の名所に組み入れられている。ラサは都市建設の中で、終始「昔の姿のままに補修する」という原則を堅持し、民族的地方特色を保護することを目指している。旧市街区は基本的に昔の姿を保つように、もし旧市街区域に家屋を建てるならば、厳格に関連規定にもとづき、地域全体のイメージに影響を及ぼしてはならないことになっている。
四、高原の環境をよりどころにして、生態系建設を強める。現在、ラサの緑のカバー率は32%に達し、1人当たりの緑地保有面積は12平方㍍である。ラサには現在6.2平方㌔の湿地があり、世界唯一の自然に形成された都市湿地であり、それは都市の空気を調節し、空気の中の酸素含有量を増加させるうえで重要な役割を果たし、「ラサの肺臓」といわれている。したがって、湿地の建設整備を重視しなければならず、生態環境をよく保護すべきで、湿地保護を規則通りにおしすすめるため、一連の関連規約を打ち出している。第10次5ヵ年計画期に2〜3億元を支出してラサ観光景勝地を建設し、湿地をめぐる道路をつくる。同時に、ラサの空気環境、空気の質を更によいものにするため、湿地の範囲を引き続き拡大させ、ラサでは、汚染のあるプロジェクトは絶対に着工してはならないことにする。ラサは世界で唯一のクリーンな高原都市でありつづけるべきで、今年、自動車の排気ガスと工業汚染に対する整備を始めることになる。
五、都市建設はチベット民族の特色を最優先に考え、どこも同じというような、中国の他の地域の大都市との付和雷同を避ける。ラサの都市建設は必ず伝統的チベット文化の特徴を保ち、特に旧市街区のメインストリート、建築物はチベットの文化伝統に従がって建設する。いかなる方角からでもポタラ宮が見えることを保証するため、建築物の高さを制限しなければならない。一般には3階建以下に制限するが、一部地区では高さは8メートルに制限される。メインストリートの建物はみんなチベット式のデザインにし、「現代と古風、荘重とにぎやかさがラサで具現されるようにする」。
六、自治区の中心的都市を育成し、都市の要素の育成を強化する。第一次産業は現代的農業を最優先にさせ、第二次産業は、伝統的手工芸のような特色のある産業を重点的に発展させると同時にハイテク産業を発展させる。将来的には柳吾新区と12.5平方㌔の開発区は、ラサないし自治区全体をリードするようにし、第三次産業の面では、主に中心都市の集散地という役割を発揮し、チベットの物資交流センターと情報センターとして、周辺地区に対し波及的、先導的役割を果たすようにする。
「チャイナネット」2001/06/06
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