カナダの全国紙「グローブ・アンド・メール」は11日、「日本人の恥」と題する社説を掲載し、事実を改ざんした歴史教科書を日本政府が容認し、支持していることを非難した。
社説は「日本が歴史教科書を改ざんするこの時期は、ちょうど日本の若い世代が右翼漫画家の強い影響を受けて第二次大戦中の侵略の歴史を故意に修正しようとする過程だ」とし、次のように指摘している。日本の右翼漫画家は国家至上主義を扇動する作品を数多く発表し、作品の中にはかつてアジア各国の人々に大きな災いをもたらした「日本皇軍」が戦争の英雄として描かれているものもある。日本の軍国主義勢力は歴史を修正しようと画策し、日本の若い世代だけでなく、戦争の責任を認めたがらない一部の人たちの「愛国精神」をあおり立てている。ここ数年の停滞する日本経済の影響で、国民の活力は落ち込み、歴史の改ざんによって「愛国精神」を高めようとしている。
韓国、中国、それに一部の東南アジア諸国には、第二次大戦中の残虐な行為を否定する日本に対して、日本軍国主義の復活を阻止するために、その行動を注意深く見守り、事実を明らかにする権利がある。中国、韓国、それに東南アジアは前世紀、日本の侵略と殖民支配を受けており、彼らは当然、日本により隠されないために悲惨な歴史を人々の記憶に残させる権利がある。
社説では、1941年10月に、2千人近いカナダ兵が日本の侵略に抵抗する香港防衛戦に参戦し、290人のカナダ兵が戦死し、残りの兵も日本軍の捕虜となったことを明らかにした。社説によると、捕虜となったカナダ兵は日本の強制収容所で強制労働に従事させられ、多くの人が虐待によって死亡した。
社説ではまた、「日本政府がドイツ政府と異なるのは、日本が過去の歴史と向かい合うことを拒否していることだ。非人道的な過去の歴史について現実逃避政策をとり、戦争に対する深い反省も行なおうとはしていない。日本政府は歴史事実を尊重せず、国内の軍国主義、過激な民族主義勢力を容認し、支持する態度を示している。これは現政府が天皇の侵略政策による犠牲者を軽視していることを示している。歴史の誤りを正視しない政策は、日本にとって何もメリットはなく、海外の抗日感情をあおり立てるだけだ」と指摘している。
「人民網日本語版」2001年7月12日