国務院の朱鎔基総理は5日午前の政府活動報告で、「世界貿易機関(WTO)加盟後の新しい情勢に適応し、対外開放のレベルを全面的に高めなければならない」と強調し、次のように述べた。
我が国の世界貿易機関(WTO)加盟は、対外開放が新しい段階に入ったことを示すものである。われわれは積極的な姿勢を以って、より広い範囲でさらに踏み込んで、国際経済協力と競争によりいっそう参与し、世界貿易機関(WTO)加盟後一年目の諸般の仕事をうまく行わなければならない。
世界貿易機関(WTO)加盟の要請に応じるために、ここ数年来、とくにここ数ヵ月間に、我が国は大量の仕事を行ってきた。全国的な関連・規則の整理はおおむね完成し、一部の法律・法規が撤廃、改正され、また多くの法律・法規が制定された。二〇〇二年一月一日から、我が国はすでに関税の全般的水準を一五・三%から一二%まで引き下げ、それは五三〇〇の税目に及ぶものであった。今年はこれまでに実施してきた諸作業を踏まえて、国際競争力の増強を核心とし、重点的に下記の幾つかの方面に取り組む必要がある。一つは、法制の一本化、非差別的で、公開かつ透明性があるという原則にもとづいて、世界貿易機関(WTO)のルールにも合致すれば、我が国の国情にも適合した渉外的経済法律・法規体系の整備を急ぎ、法律執行の公正と効率を確保する。二つは、世界貿易機関(WTO)加盟の際の公約にもとづいて、段取りを追って対外開放の分野を拡大する。それと同時に品質、医療・衛生、疫病予防、環境保全、安全などの面での市場参入基準の制定、改正を急ぐ。三つは、世界貿易機関(WTO)のメンバーとして我が国が享有する諸権利を真剣に検討し、掌握し、それを充分に行使し、積極的に地域経済協力を促し、それに参与する。四つは、世界貿易機関(WTO)の関連知識やルールの勉強、広報を立派に組織する。時期、グループに分けて、国家公務員、とりわけ県(処)クラス以上の指導幹部と大・中型企業の管理要員に対する普遍的育成・訓練を行い、世界貿易機関(WTO)のルールと国際経済貿易に詳しいさまざまな専門人材の育成を速める。
対外貿易の仕事に真剣に取り組む。市場多元化戦略を引き続き実施し、今年度の対外貿易の輸出が幾らか伸びるよう力を入れる。既存の市場の維持に努め、新しい市場を開拓しなければならない。輸出商品の構造を調整、最適化し、商品の品質と付加価値を高める。輸出を奨励する政策、措置を着実に実行する。輸出で外貨獲得の多い、信用のある重点企業については税金を期限通りに全額払い戻すことを優先的に保証する。輸出戻し税制度の改革と整備を急ぎ、生産企業がみずから経営するか対外貿易企業に委託し、代理してもらう輸出向けのその製品に対して、全面的に租税の「免除、相殺、還付」という方策を実行する。輸出金融と信用保険を拡大し、輸出に対するバックアップを強化する。税関は改革を深め、さらに通関効率と監督・管理のレベルを向上させなければならない。国有の対外貿易企業の改革と再編を推し進め、対外貿易の経営主体の多元化と輸出ルートの多様化を促す。引き続き「海外進出」戦略を実施し、条件の整った各種所有制の企業が外国、とくに周辺諸国で投資して工場を設立し、工事を請け負うことを奨励し、バックアップし、国内の技術、設備、材料と労働力の輸出を促進する。先進技術、カギとなる設備と欠乏している原材料の輸入の仕事をうまく行い、重要な戦略物資の輸入市場の多元化を逐次実現する。
引き続き外資を積極的に利用し、外商の投資構造の最適化をめざす。先進技術、現代的管理ノウハウと専門人材の導入に大いに力を入れる。外商の現代農業、ハイテク産業、インフラ建設、西部開発への投資と国有企業の改造・再編への参与を奨励し、導く。外商、とくに多国籍企業が我が国の国内で、研究・開発センター、生産・製造基地と地域駐在本部を設置することを奨励する。商業貿易、観光、会計、会計監査などの面で信用のある外国の大手企業と仲介機構を誘致し、我が国のサービス業の発展を促す。積極的に条件を作り出して、海外の中小企業の投資を引き付ける。引き続き投資環境を改善し、法制を健全化し、法律に則って事を運び、サービスを改善し、効率の向上をめざす。外商誘致と資金導入の行為を規範化し、それに内国民待遇制度を逐次実行する。上海が二〇一〇年万国博覧会を招致する活動をバックアップする。
「人民網日本語版」2002年3月7日