伝化グループの総裁・徐冠巨氏――企業の最大の資源は「誠実」
 

 十年前まだ名前さえ知られていなかった私営企業だったが、今日六社の世界的な企業との間で、技術協力をくりひろげ、国内の十ヶ所の科学研究院や大学も協力の意欲を示している。家庭作業場から現在の国内で紡織用添加剤を生産する最大の企業へと発展してきた浙江省の伝化グループの魅力はいったいどこにあるのだろうか?

「誠意ですよ」と、全国政治協商委員会委員で、伝化グループの総裁である徐冠巨氏はこう語った。「誠実は一企業にとって、最大の資源です」。

 十年以上の創業いらいの経過を顧みて、徐冠巨氏はこう語った。「うちの会社は何回も騙されたことはあったが、人を騙したことは一回もなかったのです。それで、伝化グループとお付き合いのある企業や個人がだんだん増えてきたし、マーケットもますます拡大しています。私営企業はもともと市場経済の需要に応じて生まれたのだから、周りとの信頼関係がより大切なものとなります。誠意をもってこそ、社会の信用を得られるのです」。

 このところ、浙江省でニセの領収証を作ったり、劣悪食品を生産したりした企業が取り調べられ、処罰された。それについて、徐冠巨氏はこう語った。「人を陥れ、騙すことによって、もうけwp手にすることは、みずからに対しても、企業に対しても、そして社会に対しても、責任感を欠くことの表れですよ。人間や企業にとって、金を儲けることは唯一の目的ではありません。物質に対する追求は初級レベルのものです。精神面の追求こそ、限度のないものですよ。企業の主な目標はもちろん、最大化の利益を求めることですが、それは唯一の目標ではないはずです。そうでなければ、最終的には、極端に走り、滅んでしまいま

す。ニセ物を生産し、販売するような会社は、一時的には、儲かるかもしれませんが、結局は滅亡の憂き目に合うことでしょう」。

 「企業は社会のなかにある細胞のひとつとして、生存し、成長

するには、社会の各方面からの影響を受けるに違いありません。孤立してはいけません。その成長や発展は、各方面の政策や、社会各界のバックアップとも関わりがあるのです」。

「誠実を企業の経営の根本としている伝化グループは、近年急速に発展をとげるとともに、社会にも認められています。今年の初め頃、浙江省農業銀行から、浙江省の金融史上最大の私営企業に対する融資を受けました」。

 「中国のWTO加盟は、中国の私営企業にチャンスをもたらすとともに、チャレンジも伴っているのです。でも、市場がどう変わっても、一つの貴重なものはいつまでも失ってはいけません。それは、誠実です。中国の企業界で、『誠実』という意識をできるだけ速く普及させる必要があると思います」と徐冠巨氏は語った。

「チャイナネット」2002年3月12日

 

 
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