政治協商会議委員が「二つの最高」の報告を討議
 

3月11日午前、最高人民法院の肖揚院長と最高人民検察院の韓杼濱院長はそれぞれ「二つの最高」(最高人民法院と最高人民検察院)を代表して2001年の活動報告を行った。報告は過去一年来、最高人民法院と最高人民検察院が活動の中で収めた成果と存在する問題を総括したものである。その日の午後、各グループの政治協商会議委員は「二つの最高」の報告について熱烈な討議を行った。

 全般的に言えば、皆さんは「二つの最高」の報告に対し比較的満足の意を示した。農民・労働者グループの兪祖彭委員は次のように述べた。「今年の『二つの最高』の報告は中国の当面の司法の活動の基本的情況をありのままに反映するものである。昨年一年間に、司法機関はあくまで党と国の活動の大局をめぐって、それぞれの活動の機能を全面的に履行し、事案処理の作風を改善し、事案処理の効率を高める面で大きな成果をあげた。昨年、全国では社会の治安を徹底的に整備する活動を展開し、司法機関は厳しく、速く法律に基づいて社会の治安にひどい危害を加えた犯罪者を取り締まった。そのほか、司法機関は汚職反対の活動の中で大きな成果をあげ、汚職・腐敗の取り締まりへの取り組みの度合いを大きくした。これらは中国の改革と発展を保障するために際立った貢献をし、司法関係者に対する人びとのイメージは明らかによくなっている」。

 しかし、法律に基づいて国を治めること、司法の公正およびWTO加盟後の司法の活動に対する要求という角度から見て、司法部門はやはり新しい要求に完全に適応することができていない。今度の「二つの最高」の報告はこれを総括しており、たとえば一部の公安部門の幹部と警官は資質が低く、規律違反事件が時々発生し、酷刑によって自白を強いることが依然として存在し、一部の末端の公安部門の幹部と警官が勝手に罰金を課する現象が依然として時々発生している。そのほか、一部の幹部と警官が犯罪者とぐるになって、犯罪者のために情報をもらし、司法機関の行動の情報を漏らしている。そのほか、報告の中で一部の問題が依然として早急に解決を要することにも言及され、たとえば執行が難しい問題は依然として根本から解決されていない。

 大多数の委員は今年の「二つの最高」の報告に満足の意を表すとともに、報告および司法機関の活動の中で依然として存在するいくつかの問題を指摘し、「二つの最高」が今後の活動の中でみずからの能力を高めることができるようにと望んだ。

 農民・労働者グループの楊振江委員は次のように述べた。報告の中で「一部の裁判官は妨害に対する抵抗能力が強くなく、法に反して裁判をおこない、規律に背いて裁判をおこない、本心に背いて裁判をおこない、一部の法院(裁判所)の民事訴訟事件の執行が難しい問題は依然として緩和されていない。法院と検察院は事案処理の中で確かに妨害要素がたくさんあるが、これらの妨害は従来から司法機関あるいはメディアに開示されておらず、従来からいかなる人も摘発されていない。事実、司法機関の活動の中で、上から下まで妨害があるが、それは一体誰なのか。モデルをつかんで摘発すべきである。モデルをつかんで摘発してこそはじめてそれを取りなした人を警告することによって目ざめさせ、一部の人が手中の権利あるいは司法関係者とのコネを利用して司法の活動を妨害することを制止できるのである。もし具体的な人を暴露せず、妨害がひどいことだけを提起するならば、恐らく世人を目ざめさせる効果に達することはできない、かえってそれを取りなした人を黙認する結果となる可能性がある。同じように、官職をお金で買ったり官職をお金で売ったりすることについての訴訟事件の中で、誰が官職を買ったかを開示すべきであるばかりか、更に誰が官職を売ったかを開示しなければならない。先般、ある省の元国税局局長が官職を買ったり官職を売ったりした問題で逮捕され、彼が買ったことは皆が知っているが、誰が官職を彼に売ったのか。それを語った人はいない。官職を買った人を処分するとともに、官職を売った人をも処分すべきである。

  

 そのほか、また今後の法院の活動に次の三つの提案を打ち出した。①法院と検察院の事案処理は同じクラスの党委員会が指導すべきではない。同じクラスの党委員会が指導するため、法院、検察院は政府機関を本当に監督する仕様がない。法院と検察院の部門はタテ割りの指導に変えるべきである。②人びとの公安部門に対する苦情はかなり大きく、公安幹部の資質はかなり劣っており、これは一部の公安関係者の子女が大学に入られなくて公安の隊列に入ってきたからである。このような情況は早く改めなければならない。③軍隊の退役者がしばしば司法機関に配属されている状況については、退役した軍人の能力に基づいて、適切に地方に配置して働かせ、法院、検察院、特にこれらの部門の指導的職場に随意に配置すべきではない。業務がわからない人が指導者となれば全司法機関の活動に影響を及ぼすことになる。

 中国民主同盟グループの張瑜委員は次のように述べた。「『二つの最高』の報告の中で言及されているように、昨年、年間に立案・捜査した汚職・収賄者は4万195人だった。これは腐敗した公務員に対する調査・処分の度合いを大きくしたことを物語り、非常にすばらしい。しかし、贈賄者に言及した際、報告ではわずか539人を処分したとされている。一般的に言えば、収賄したものがいれば必然的に贈賄したものもおり、収賄したものは一人だけの賄賂を受け取ることは不可能であり、贈賄したものが収賄したものに比べて処分されたものが多くなれば条理にかなっている。数字の差がなぜこんなに大きいのか。贈賄の取り締まりへの取り組みの度合いが大きくないのか。なぜ贈賄したものの取り締まりへの取り組みの度合いを大きくしないか。贈賄したものはみんなみずからの利益のために国の利益を犠牲にするものであり、国の利益を犠牲にし、政府の公務員は彼らによって悪に引きずり込まれ、贈賄したものは利益を得ており、そのため、贈賄罪は収賄罪より厳しいものであるべきだ。当面、われわれの贈賄者に対する処罰は軽すぎる。すべての訴訟事件は贈賄したものを処分すべきである。贈賄、収賄の二つの面から腐敗を撲滅してこそはじめて腐敗の源を押さえることができるのである」。

 中国民主同盟グループの雷亨順委員は次のように述べた。最高人民法院の報告の中に「断固として法律に基いてマフィア的性格の組織的犯罪を厳しく懲罰している。年間合わせてこのような事件を350件、1953人を審理し、それぞれ昨年より6.3倍、3.8倍増えた」というくだりがある。「報告の中で射殺、爆破とかかわりのある犯罪を断固として法律に基いて取り締まるべきであると強調している。昨年一年間にこのような事件をあわせて1万1045件審理し、犯罪者1万2005人に刑を言い渡し、昨年より81.6%上昇した。これは素晴らしいことであるが、引き続き取締への取り組みの度合いを大きくしなければならないことに気を配り、けっして油断してはならない」。

 そのほか、「二つの最高」の報告の中での一部のデータの食い違いが大きく、例えば最高人民法院の報告の中で、「全国の法院は検察機関の提起した控訴事件を計2万1098件結審し、そのうち訴訟の理由が成立して法律に基づいて判決を変更したものは4697件で、もとの判決が正しくて法律に基いてそれが維持されたものは7440件で、検察機関が差し戻した控訴事件は1055件で、新たな証拠あるいはもとの判決の事実がはっきりしなく、送り返して再審したものは1538件で、双方の当事者が自発的に解明をおこなって示談で、和解したものは6368件である」と述べた。そして最高人民検察院の報告の中でかえって、「年間に法律に基づいて控訴を提起したものは1万6488件で、法院の結審したものは1万145件で、そのうち判決を変更したものは5377件、もとの判決を取り消して送り返して再審したものは900件である」と述べられている。前年残された一部事案を昨年のものに加えても、このデータの食い違いは非常に大きい。最後に、「今日午前の報告の中で言及されているように、1999年から2001年にかけて、公式に公布された統計データから見て、中国の公共機関が腐敗によってもたらされた損失は1兆3000億元に達した。このように多額な金額は腐敗の普遍性を物語っている。腐敗の対策は終始事実そのものについて論じ、一人を捕えてその一人に刑を言い渡すようなことでは、恐らく実質的な改善は非常にむずかしい。そのため、国の廉潔政治システムの確立は必ず実行しなければならない」。

 中国民主同盟グループの韓大建委員は次のように述べた。「二つの最高」の報告の中で、多くのところで犯罪の数は「年を追って上昇している」と述べられている。この面では、われわれが確かに仕事への取り組みの度合いを大きくし、仕事が進展を見たことを裏付けるものであるが、他方、われわれは数年間続けて対策への取り組みの度合いを大きくしている状況の下で、なぜ犯罪の件数が上昇しているのかを考えるべきではないか。主要な原因は予防が十分でないからである。

「チャイナネット」2002/04/04

 

 
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