『清明上河図』
清明節の紹介をする時に、中国美術史上もっともすぐれたリアリズムの大絵巻物――『清明上河図』にふれざるをえない。それは北宋の画家・張択端の傑作(現在北京故宮博物館所蔵)で、北宋の都・汴梁(開封)の清明節における社会生活の様相を生き生きと描き出している。巻首は郊外で少数の者が墓参をしている絵で、つづいて汴河の両岸の芽をふきだした柳並木を描き、清明前後の春いまやたけなわになろうとする季節をあらわしている。林の茂みの奥のほうから、ロバの隊伍がひと群れひと群れとやってくるのが見え、路傍の村で足を休める運搬夫、田畑を耕している農民、その一人ひとりがまるで生きているようである。つづいて河幅は次第に広くなり、道行く人と船もさらに数をふやし、ともづなをひく者、荷物を運ぶ者、往来はますます激しく、都会の多忙な熱気にみちた雰囲気を伝えている。近郊の船着き場には、大船がともを接した情景が描かれ、絵巻物はクライマックスに達し、虹のように河にまたがる大橋の下では、船乗りたちが危険このうえない緊張した労働に取り組んでおり、橋上と岸辺にはそれを見物する人群れがひしめきあっている。河に面した堤上には酒楼、茶店が軒をつらね、路上には車を推す者、肩に荷をかつぐ者、城門からは列をなしたキャラバンが出て行くところで、はるかに水運と連なっている。城内には商店が密集し、種々さまざまな店舗があり、人物は特に複雑である。騎馬の官吏、輿に乗った婦人、赤い服をまとった市民と労働者など、中国古代の清明の季節の繁栄した景象をじつにリアルに描いている。絵巻物ぜんたいに描かれている人物は数えきれないほど多く、統計によると、絵巻物に千六百四十三人の人物と二百八匹の動物の他に、車と船がそれぞれ二十あまり、各種の家屋が三十余棟描かれているという。この絵巻物は北宋の盛世における東京・汴梁の商工業経済の繁栄した景象、当時の民情、風物と各階層の人々の生活の対比を広範に、かつ深く掘り下げて反映している。

 


 

 

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