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水泳運動管理センター主任に聞く「順風、荒波も時に生じる」

アテネオリンピックが迫ってきたが、出場する中国水泳チームの準備状況はどうか。衆望を一身にになう飛び込みは再び輝かしい成績をあげられるのか。多忙を極める国家スポーツ総局水泳運動管理センターの李樺主任にインタビューした。

CIIC 李さんは2001年に、水泳運動管理センターの主任に就任されました。前回のシドニー大会では、水泳競技でよい成績は残せませんでしたが、アテネ大会が間もなく開かれますので、水泳チームの現状、またシンクロナイズドスイミングと飛び込みの準備状況について簡単に説明してくださいますか?

李主任 私たちのセンターは中国水泳協会も兼ねており、オリンピックでは4つの競技を主管していて、4競技合わせて金メダルは44個あります。長年にわたり努力を重ねてきたことで、全体的なレベルはシドニーを超えたと言っていいでしょう。一部の個別種目では、世界最高レベルを狙える実力を備えています。

CIIC 2001年の世界選手権では2個の金メダル、アジア大会では20個の金メダルを獲得しましたね。去年はリレーの1種目で金メダルを手にしました。アテネでは、何種目で金を狙える可能性があると考えていますか?

李主任 今年のオリンピックでは、水泳競技の任務は重いですね。スポーツ競技の大国として、わが国は陸上や水泳など、基礎的競技で比較的良い成績を収めなければならない。ですから、金メダルは非常に重要な証しとなります。

CIIC 実力が発揮できるかどうかの問題は結局、技術的、あるいは体質的な問題なのでしょうか。

李主任 私個人としては、体力や生理的特徴などの面で、女子選手の場合は外国との差は恐らく小さいと考えています。ですから、世界の先進レベルに追いつくまでの距離は男子選手に比べると短い。また、ナショナルチームの女子選手は非常に頑張り屋です。ことに水泳競技では格別ですね。もちろん、男子選手も努力を続けています。昨年の水泳の世界選手権では、男子リレーで初めて8位に入賞しました。

CIIC では、男子種目で狙える、また突破できそうな目標はあるのでしょうか。

李主任 あります。まず男子の自由型リレーです。昨年の世界選手権のこの種目で8位になりましたので、やはり1つの重点種目にしていますが、私は、8位を上回るのではと期待しています。オリンピック水泳の目標として、私たちは金メダル1個をめざすことにしています、女子種目で。男子では、7位を含めてそれ以上をめざします。(以下省略)

CIIC オーストラリアや米国など、水泳強国との差はどこにあるのでしょう。

李主任 第1は、社会的な基盤です。両国には青少年のための水泳クラブなどが非常に多く、しかもレベルが比較的高い。第2は、世界水泳界の最新の動向に格別の注意を払い、先進的な方法を採用してトレーニングを行っていること。第3は、トレーニングに科学技術を運用していることです。

CIIC 日本のレベルも非常に高いですね。北島選手はオリンピックで、私たちをアッと言わせるのではと考えていますが、日本の経験は参考になるのでしょうか。

李主任 北島康介選手は確かに優れた選手です。身長は1メートル70と、比較的小さい方ですが、幼いころから系統的なトレーニングを積んできました。平泳ぎでは、アジアの選手として技術的に高い強みをいかんなく発揮しました。彼が持つ技術は非常に合理的で、泳ぎのプロセスが非常にスムーズですし、技術的な効果は今後も現われてくるでしょう。彼に比べると、一部の選手は身体的条件、先天的な素質や才能でやや劣っているので、トレーニング方法についてもっと研究しなければなりません。

CIIC 飛び込みはすでに中国の独壇場ではなくなった、と言われていますが、どうでしょう。

李主任 飛び込みは長年にわたり優位に立ってきた競技で、国の競技スポーツに大きく貢献しました。統計が示すように、1984年のオリンピックから現在まで、14個の金メダルを獲得しています。過去、飛び込みの強さは世界で際立っていました。昨年の世界選手権、それに今年のワールドカップ以来、外国選手はかなりの力を身につけてきており、私たちとの差は縮まりつつありますね。

CIIC 飛び込みで要求される難度と安定、この矛盾はどのように解決しているのでしょうか。

李主任 2003年の世界選手権から帰国すると、動作の難度は外国選手に比べ低かった、と言われました。実際、総体的に言えば、選手の難度は外国選手と基本的には大差ありません。しかし、私たちは動作の安定度と動作の質について大きな努力を重ねてきました。難度が同じでも、動作の質が低く、安定度がよくなければ、点数は低くなります。また同じ状況でも、外国の審判員の中国選手に対する要求はより高くなるのです。

CIIC 中国のシンクロナイズドスイミングが世界に大きく遅れているのは、どうしてでしょう。

李主任 シンクロナイズドスイミングはオリンピックでは、デュエットとチームの2種目が設置されています。この競技の歴史はまだ浅いのですが、チームではオリンピックで7位に入賞したことがありますので、現在のレベルは反映できると言っていいでしょう。シンクロナイズドスイミングは振り付け、音楽、選手の身体的素質、それに高い表現力が求められます。この面で、世界の強豪に比べればまだ差があり、この数年の国際大会からも明らかなように、この面で問題があるのは確かです。このため私たちは、実際に即した改善を進めてきました。例えば、最近、カナダ・ナショナルチームの元ヘッドコーチを短期間ですが招へいしたところ、非常に素晴らしい効果をあげました。新しい理念が導入されて、トレーニング方法を改善することができたのです。

CIIC この2年連続してドーピング行為をした選手は出ていませんが、この成果をどのように定着させていきますか?

李主任 ドーピング禁止は非常に重要な仕事だと考えています。周知のように、水泳競技の場合、興奮剤使用の危険度は高く、過去数回、ドーピングが行われて中国の競技スポーツに汚点を残しました。その教訓を私たちはしっかりと心に刻む必要がありますね。

私たちセンターはこの数年、一貫してドーピング禁止を非常に重要な仕事として捉えてきました。毎年1回開く水泳協会のドーピング禁止大会では、関連する政策や規定を大々的に宣伝し、また直接的に教育することで、選手やコーチ陣、関係者の意識を絶えず高めています。実際の仕事においても、スポーツ総局の方針を厳格に守っています。政策面では、水泳協会はドーピング禁止に関する実施細則を改正しばかりで、国務院も関連条例を制定したところです。総じて、様々な面に中国のドーピング禁止の強化、決意のほどが表れていると言えるでしょう。ドーピングは水泳競技にとって、ある意味で否決された1票であり、再びドーピング問題が起きることにでもなれば、この競技の健全な発展に非常に重大なダメージを与えることになります。

「チャイナネット」2004/08/02


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