中国は環境保全分野での国際協力を重視し、国連などの国際組織の展開する環境事務に積極的に参与している。長年来、中国は高級代表団を派遣して、国連持続可能発展委員会(UNCSD)の各回会議、持続可能発展世界首脳会議およびその一連の準備活動に参与してきた。中国は砂漠化防除、生物多様性保護、オゾン層保護、クリーン生産、循環経済、環境教育とトレーニング、長江中上流の洪水防除、区域海行動計画、陸地で発生する汚染を防止して海洋を保護する世界行動計画などの分野で、国連環境計画(UNEP)とすこぶる効果のある協力を行っている。中国は国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アジア開発銀行などの国際組織と効果的な協力パターンを作り上げている。中国はアジア太平洋経済協力会議(APEC)の枠組内の各種環境保全と持続可能な発展活動に積極的に参与し、各回のアジア太平洋経済協力会議環境担当相会議に出席している。中国の環境保全分野での努力は国際社会に認められ、賞賛されている。国連環境計画、世界銀行、世界環境基金は相次いで「国連環境計画笹川環境賞」「グリーン環境特別賞」「世界環境指導賞」を中国の環境保全部門の責任者に授け、国連環境計画はさらに「地球防衛者賞」を中華青年連合会の責任者に授けた。2005年末現在、中国では22の機構と6人の個人が国連環境計画から「世界ベスト500」の称号を授けられた。
中国は「国連気候変動枠組条約」とその「京都議定書」「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」「国際貿易における有害化学物質および農薬の事前通報手続きに関するロッテルダム条約」「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」「生物多様性条約」「生物多様性条約<バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書>」および「国連砂漠化対処条約」など環境保全と関係ある50部以上の国際条約に加入するとともに、これら条約の定めた義務を積極的に履行している。
中国政府は「中華人民共和国持続可能な発展国家レポート」を編纂し、「中国21世紀持続可能な発展行動要綱」を制定し、21世紀初めの中国の持続可能な発展の重点分野と行動計画を確定した。中国政府は「中国のオゾン層を消耗する物質のちくじ淘汰に関する国家計画」を認可し、相次いで100余項のオゾン層保全に関する政策と措置を公布し、オゾン層を消耗する物質の代用品と環境保全と関係あるその他の製品の開発・生産基地を設立し、「モントリオール議定書」の定めた段階的削減指標を順調に完成した。世界銀行の推定によると、中国のオゾン層を消耗する物質の淘汰量は発展途上国全体の淘汰総量の50%を占めている。中国政府は北京で「オゾン層保護ウィーン条約」締約国大会第5回会議と「モントリオール議定書」締約国大会第11回会議を開催し、「北京宣言」と「北京改正案」を採択した。
中国は周辺諸国または関連地区との協力を増強、推進し、区域協力メカニズム化建設に積極的に参与している。中日韓三国環境担当相会議メカニズムを構築し、政策交流を定期的に行い、ともに関心をもつ環境問題を討論している。大メコン川亜区域環境協力メカニズムが始動するとともに、2005年に第1回大メコン川亜区域環境担当相会議を成功裏に開催し、亜区域生物多様性保護回廊計画などの協力プロジェクトを提出した。東南アジア諸国連合(アセアン)と中国(10+1)、アセアンと中日韓(10+3)のメカニズムの下で環境協力が始動した。中国政府の提唱で、2002年に第1回アジア・ヨーロッパ環境担当相会議が開かれ、「アジア・ヨーロッパ環境担当相会議議長声明」を採択し、アジア・ヨーロッパ環境協力の基礎、潜在力および協力原則などの面で基本的に意見の一致を見、アジア・ヨーロッパ環境協力のキーポイントの分野と重点を確定した。ここ数年来、中国・ヨーロッパ環境政策担当相クラス対話メカニズムと中国・ヨーロッパ環境連絡員会議メカニズムが構築されるとともに、2006年2月に中国―アラブ諸国第1回環境協力会議が開かれた。
中国は環境保全分野の二国間協力を積極的に展開し、前後してアメリカ、日本、カナダ、ロシアなど42カ国と二国間環境保全協力取り決めまたは了解覚書に調印し、11カ国と核安全協力二国間協定または了解覚書に調印した。環境政策法規、汚染防除、生物多様性保護、気候変化、持続可能な生産と消費、能力建設、モデルプロジェクト、環境技術と環境保全産業などの面では幅広い交流と協力を行い、一連の重要な成果をあげた。中国はまた欧州連合(EU)、日本、ドイツ、カナダなど13の国、国際機構と双方が無償援助する状況の下で環境保全分野で多くの協力を繰り広げている。中国は発展途上国との環境協力と交流を積極的に行っている。中国・アフリカ協力フォーラムの後続行動に呼応するため、中国は「アフリカ向けの中国環境保全」をテーマとする活動を行い、環境保全分野での中国とアフリカの交流と協力を推し進めている。2005年、中国と国連環境計画は中国・アフリカ環境保全協力会議を共催した。中国政府はまた「アフリカ諸国水汚染と水資源管理研修クラス」を開設し、アフリカ諸国の環境トレーニング展開を援助した。
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