中国の環境保全(1996~2005)

七、環境経済政策と投入


ここ10年は中国の環境保全投入の増幅が最も大きい時期であり、努力を経て、政府を主導とする多元環境保全投資融資体制が初歩的に確立された。

――環境保全への財政投入を増加する。第10次五カ年計画期に、中央財政は環境保全資金を1119億元支出し、そのうち、国債資金は1083億元で、主に北京・天津地区の風砂発生源除去、天然林保護プロジェクト、農地を林(草)地に戻すプロジェクト、三峡ダムサイトとその上流地区の水汚染除去、「三河三湖」の汚染除去、汚水とゴミの産業化と再生水リサイクルプロジェクトなどに使用した。1998年以来、国は環境インフラ建設を国債投資の重点とし、大量の社会資金を環境保全に投入するように促進している。1996年から2004年にかけて、中国の環境汚染除去への投入は同期のGDPの1%を占める9522億7000万元に達した。2006年、環境保全の支出科目は正式に国の財政予算に組み入れられた。

――環境費用徴収政策を整備する。汚染物排出費の徴収と管理を強化し、汚染物排出費の徴収と使用は収支別々管理を厳格に実行し、排出費の収入は環境汚染防除に使用する。二酸化硫黄排出費の徴収範囲を拡大して、すべての二酸化硫黄を排出する企業、事業体、個人経営業者から二酸化硫黄排出費を徴収し、また排出費を高くし、1キロあたり0.2元から0.63元に引き上げた。都市部の汚水、ゴミ、危険廃棄物処理費の徴収政策を実行し、社会資金を多種の方式で環境保全施設の建設と運営に投入するように導き、汚染除去の市場化、産業化のプロセスを積極的に推し進める。都市部の汚水・ゴミ処理特許経営制度を制定、推進する。一部の地方は汚水処理場とゴミ処理場など政府の建設した施設を入札を通じ、契約の方式で企業に運営させ、政府の監督と管理を強化し、環境保全資金投入の効果と利益を高めている。

――環境保全に有利な価格・税収政策を制定する。再生可能なエネルギー費用の分担メカニズムを構築する。再生可能なエネルギーを使用する発電機が電力網に送る電気の価格が地元の脱硫石炭燃焼ユニットの電力網に送る電気の価格より高い部分、国の投資または補助によって建設された公共の再生可能なエネルギーの独立電力系統の運営維持費用が地元の省クラスの電力網の平均電力販売価格より高い部分、および再生可能なエネルギーを使用する発電所の電力網連接費用などは、電力ユーザーから特別料金を徴収することによって解決される。鉄鋼、電解アルミ、鉄合金など製品の輸出税払い戻し額を何回かに分けて減らし、または取り消す。自動車産業のグレードアップ、汚染の軽減に有利な税収政策を制定し、期限前に低汚染の排出基準に達した自動車生産企業に対し、消費税を30%減少する。再生資源を回収し、資源を総合的に利用し、環境保全の産業設備を生産する企業、廃水、廃ガス、固体廃棄物を主な原料とする生産企業に対し、税減免の優遇政策を実行する。耕地占用税政策を厳格に実行し、土地資源を合理的に利用し、土地管理を強化し、農業用の耕地を保護する。石炭、原油、天然ガスなど鉱産物の資源税の税額基準を陸続と高め、鉱産資源をいちだんと保護し、資源の合理的開発・利用を促進する。