中国の環境保全(1996~2005)

前書き


中国は世界の人口の最も多い発展途上国である。20世紀70年代末期以来、中国経済の持続的な急速発展に伴い、先進国では100年もの工業化の過程にいくつかの段階に分けて現れた環境問題が中国に集中的に現れ、環境と発展の矛盾が日ましに突出している。資源が相対的に乏しい、生態環境が脆弱である、環境容量が足りないことは、中国の発展過程において徐々に重大な問題となっている。

中国政府は環境保全を高度に重視し、環境保全は国の現代化建設の全局と長期の発展にかかわっており、当代に幸福をもたらし、後代に恩恵を及ぼす事業であると考えている。長年来、中国政府は環境保全を基本的国策として確立し、持続可能な発展を重要な戦略とし、あくまで新しいタイプの工業化の道を歩み、経済発展を推し進めると同時に、一連の措置をとって、環境保全を強化している。とくにここ数年来、中国政府はあくまで科学的発展観で環境保全事業を統率し、予防を主とし、総合的に整備し、全面的に推進し、重点的に突破する対策を堅持し、公衆の健康に危害をもたらす際立った環境問題を力を入れて確実に解決し、革新体制メカニズムを堅持し、科学技術の進歩に頼り、環境法治を強化し、社会各方面の積極性を発揮している。努力を経て、資源消耗と汚染物排出量が大幅に増加する状況の下で、環境汚染と生態破壊激化のすう勢が緩くなり、一部流域の汚染除去が初めて成果をあげ、一部の都市と地区の環境の質にいくらか改善が見られ、工業製品の汚染物排出量がやや減少し、社会全体の環境保全意識がいちだんと強くなった。

世界環境デーを迎えるにあたり、世人に中国の環境保全状況をより全面的に理解させるため、ここに過去10年間に中国が環境保全のためたゆまずに努力を傾けた状況について系統的に紹介する。