「歴史は繰り返さない」といいますが、今の中国経済や社会情勢は、宋の時代(960~1279年)との類似性が目立ちます。宋の時代は経済活動が盛んで、「ものつくり」や「商い」で余裕のできた階層が生まれ、庶民は生活を謳歌する機会に恵まれていたようです。
運河によって地方の物産が首都の開封に運ばれ、飲食店が夜通し賑わい、市や芝居が時間や場所を制限されることなく一日中、盛んでした。唐の時代(618~907年)は、都の長安で市が東西の両市に限られ、夜間の通行も禁止されていました。宋は唐に比べると、遥かに活気に満ちていたといえます。
現在に目を転じると、中国は経済重視の改革・開放路線をほぼ30年、続けています。現政権は「以人為本」(人間本位)、「小康社会」(いくらかゆとりのある社会)の政策を打ち出し、農業、教育、社会保障の充実や格差是正に力を入れています。
また中産階級が経済活動で重要な役割を演じつつあります。経済が安定していれば、内外情勢の変化にも対応でき、庶民生活に余裕が生まれるわけです。経済安定のバロメーターは、消費と蓄財のバランスにあるといえるでしょう。