まず、「安定的に先物市場を発展させる」との方針は第11次5カ年計画(2006~10年)に盛り込まれ、先物市場は金融市場を構成する一部分として、市場経済全体の発展を図る上での重点の一つとなった。
また、今年4月には「先物取引管理条例」が改正施行され、中国の先物市場は法制が整った発展軌道に入り、国際先物市場との連携に向けた条件を整えた。
第三に、今年8月には国務院が「東北地区振興計画」の中で、「大連商品交易所において、先物取引の発展に力を入れ、アジアの重要な先物取引拠点を建設する」との姿勢を初めて明確に示した。既に大連商品交易所のトウモロコシ、大豆先物相場は、世界のトウモロコシ、大豆価格の重要な参考指標となっている。
第四に、パーム油先物の上場は、中国が先物市場の国際化を推進していることを証明するものだ。中国植物油協会の王俊シ秘書長は、国務院弁公庁が今年9 月に「植物油原料生産の発展に関する意見」で、「先物市場の価格形成、ヘッジ、リスク回避の機能を十分に発揮し、企業と農民の収益の安定を図り、植物油原料産業の発展を促進する」と指摘したことを紹介した。同意見はまた、「大豆、大豆油などの取引品目を基礎に、パーム油先物取引の品目を増やし、上場を急ぐとともに、国内の油脂、植物油原料の生産、加工、貿易に携わる企業が先物市場取引に参加することを支持する」とした。このため、業界関係者はパーム油先物の上場が、国務院による直接的な支持と推進で迅速な上場が図られたと指摘した。
注:※王俊シのシは、米へんの子