一部の先物専門家は、中国が先物市場を開放し、パーム油を上場させたことで、域外の商品の中国における上場に道が開かれたと指摘する。これは中国市場にとっても、国際市場にとってもメリットがある。国内外のパーム油生産企業と取引業者は先物市場でリスク回避を図り、市場を通じて価格形成とヘッジを行うことができる。
中国はパーム油の消費大国であり、輸入大国でもある。2006 年のパーム油輸入量は世界最大の514万トンで、世界消費量の14 %を占めた。中国での需要増を受け、近年はブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)におけるパーム油先物価格は高騰を続けた。同取引所でのパーム油先物価格は06年の 1トン当たり1300リンギから現在は 2600リンギと2倍に値上がりした。このため、中国で上場したパーム油も国際先物市場との連動し影響を受けることになるが、輸入価格と市場消費の安定という観点からみて、長期的にはメリットが大きい。
アナリストは、中国の先物市場の健全な発展に伴い、輸入規模の大きい先物品目が更に多く上場することによって、先物市場の取引品目構成が整うほか、国内外市場の連携と安定性が強化されると指摘した。それにより、中国の国際市場における価格決定権や発言力が強まり、国際的地位の向上にもつながることになる。
「人民網日本語版」2007年10月29日