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創業以来94年の歴史をもつ米国ウォール街第三の投資銀行・メリルリンチは14日、48時間に及ぶ緊迫した交渉の末、1株29ドル、総額440億ドルでバンク・オブ・アメリカに買収されることに同意した。この買収価格は12日の終値の1株17.05ドルを70%上回る。取締役会は先週末の晩に今回の取引を承認し、後は株主と政府監督管理部門との審査・批准を待つばかりとなった。15日朝、米国第四の投資銀行のリーマン・ブラザーズが米連邦破産法の適用を申請すると、同日の米株式市場は開始早々、ダウ平均株価が一気に300ポイント低下した。米国の世論では、低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題により発生した金融危機が一層激化し、米国の金融業界は新たな局面を迎えるとの見方が一般的だ。
バンク・オブ・アメリカとメリルリンチとの取引は非常に劇的だった。ここ数年、市場が注目してきたのは苦境に陥ったリーマン・ブラザーズの命運で、メリルリンチ買収の報道は青天の霹靂だった。世論は、このような突然のスピード買収は、昨年以来の金融危機のさらなる深刻化を示すものと受け止めている。危機発生以来、メリルリンチは巨額の資本の調達や問題のある資産の整理、保有する大口株式・資産の売却などさまざまな措置を取り、保全をはかってきた。
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