「神舟7号」、中国の産業発展における価値

人民網日本語版  |  2008-09-25

「神舟7号」、中国の産業発展における価値。

タグ:神舟7号  中国 産業

発信時間:2008-09-25 17:17:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る
 (1)大きな産業的価値
 宇宙経済の産業チェーンは、さまざまな経済分野の中で最も長期的なもので、あらゆる分野をカバーするものとみる人は多い。こうした見方は大げさなものではなく、一つの宇宙事業に関連をもつ産業は、日常生活のほぼすべての分野に及んでいる。エネルギー、鉄鋼、新材料、電子、機械、通信はもとより、宇宙服には繊維、ファッション製品加工、宇宙食には農産品、食品加工などの各産業が関わってくる。

 有人宇宙船「神舟7号」も例外ではない。大は宇宙船の船体に使われる新材料から、小は宇宙船に積み込まれる農作物の種一粒まで、「神舟7号」の打ち上げにはあらゆる産業が関わっている。

 「神舟7号」の関連産業は日常生活の各方面に関わりをもっており、その科学技術的成果が民間に転用されれば、そこから生まれる産業的価値は計り知れないものになる。

 実際、宇宙事業の産業的価値について、早くも世界でデータに基づく論証がなされている。欧米の複数の研究機関が、宇宙分野で投じた1元は8~14元の付帯効果をもたらすと算定する。米国で240億ドルを投じて進められた月面探査のアポロ計画は、科学技術的成果の民間転用後、2千億ドルを超える産業的価値をもたらした、

 中国でも「神舟5号」、「神舟6号」の打ち上げ後、類似のデータが得られた。北京航空航天大学経済管理学院の韓立岩教授の説明によると、中国では宇宙計画がスタートして以来、宇宙産業への総投資額が毎年平均数百億元に上り、ここから生まれる産業的価値は2倍に達し、さらに5~6倍の波及効果が生じた。おおまかな算定では、これまでに神舟5号・6号がもたらした産業的価値は1200億元を超えるという。

(2)利益が一層拡大
 北京航空航天大学経済管理学院の魏法傑副院長によると、「神舟7号」の打ち上げは中国のロケット技術の成熟や、有人宇宙船、船外活動などの技術の飛躍を示すものだ。「神舟7号」は宇宙産業の発展をもたらすだけでなく、今後は国民経済に大きなパワーをもたらすことになるという。

 魏副院長はまた次のように述べる。中国の宇宙プロジェクトは立ち上がりが一部の欧米諸国に出遅れたため、宇宙科学技術の民間転用までには長い道のりがある。相対的に言って、中国は宇宙科学技術の民間転用技術でなお初期段階にある。このため一連の神舟事業とアポロ計画とでは、そこから生まれる産業的価値に開きがあるのはやむを得ない。

 ただこうした状況が、中国が今後、世界の宇宙分野で一定の位置を占めることを妨げはしない。特に現在、国内で成熟を遂げた衛星産業の世界での位置取りには影響しない。

 ある業界レポートによると、世界の宇宙技術産業が生み出した利益は、1996年の750億ドルから2000年は1250億ドルに増加した。2010年には世界の商業宇宙事業による利益は5千億~6千億ドルに達し、うち衛星産業の市場規模は2千億~3千億ドルに達する見込みだ。

 今後10年間に、世界で打ち上げられる商業衛星は約700基に上る見込み。中国も打ち上げ能力を備えた国として、その一翼を担うことになるとみられる。

(3)民間経済が参与
 「神舟7号」の打ち上げには、巨大な産業的価値と国民経済全体での支援のほかにも見逃せない点がある。それは少なからぬ民間企業が関わっているという点だ。

 民間企業が発展する浙江省の場合、同省国防科学技術工業弁公室の陳加福主任の説明によると、神舟1号~7号の打ち上げに際し、省内の民間企業6社が生命維持システム、電器、検査機器などの製造過程に携わった。

 陳主任によると、これまでに民間企業がハイレベルな宇宙事業に参入することなど想像もできなかった。だが今日では民間企業は参入するに足る力を備えており、ここから中国民間経済が新たな段階に突入したことがうかがえる。

 陳主任は「同省は軍需産業と民間産業との融合のポイントの一つとして民間宇宙事業の発展を位置づけており、民間企業に積極的な参加を促す方針だ。今後は有人宇宙船プロジェクトや月探査プロジェクトなどの国家級宇宙プロジェクトに、民間企業の力がみられるようになるだろう」と述べた。
 
「人民網日本語版」2008年9月25日
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