中国人民銀行(中央銀行)は8日、今月15日より預金業務を扱う金融機関の人民元建て預金の預金準備率を0.5ポイント引き下げると発表した。中国人民銀行のすべての預金業務を扱う金融機関に対する預金準備率引き下げは1999年末以来約9年ぶり。
また、10月9日から金融機関による人民元建て預金・貸出基準金利を0.27ポイント引き下げる。1年満期の定期預金金利は現行の4.14%から3.87%、同じく貸出金利は現行の7.20%から6.93%、5年満期の住宅積立金の貸出金利は4.59%から4.32%に引き下げられ、その他の各種預金・貸出金利もそれぞれ調整されることになっている。中央銀行による人民元建て預金・貸出基準金利の同時引下げは2002年2月以来約6年ぶり。
さらに、中国国務院は同日、2008年10月9日より預金金利への個人所得税徴収を一時停止することを決定した。
これに先立って、中国人民銀行は、米国の金融危機の中国への影響を回避するかあるいは軽減するため、同行と関係監督管理部門はさまざまな対策を検討しており、中国には経済と金融の安定を維持する条件、能力と自信があるとしている。
8日には、米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行、スウェーデン中銀(スウェーデン国立銀行)、カナダ中銀、スイス中銀(スイス国立銀行)の米欧の6中銀による協調利下げも発表され、利下げ幅は6中銀とも0.5%。6中銀は経済活動の低迷と物価上昇圧力の軽減を踏まえて利下げしたとしている。
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