世界的な金融危機の影響により、多くの国で通貨レートが低迷を続けていることを受けて、北京では海外ショッピングブームが起きている。北京市内の大手旅行代理店によると、海外旅行に行く人に頼んで海外で買い物をしてきてもらうというのが、一時的な流行でなく、多くの人が生活用品を手に入れるための重要なルートとなっている。「北京青年報」が伝えた。
華遠国旅市場部の責任者・孫麗嬋さんによると、海外ショッピングは昔からあるが、今ほど盛んではなかった。今海外旅行に行く人の多くが空のスーツケースを持っていくのは、買った物を入れるためで、スーツケースがいっぱいになれば、重量オーバーを避けるため、空港の免税店で山のように買い物をし、持ち込み品として持って帰る。レートの値下がりに便乗し、海外でブランド品を購入するのを海外旅行の目的にする人も少なくない。神舟国旅市場部の責任者・郭玲梅さんは「帰国時にはどの人のカバンもパンパンに膨らんでいる。かつて外国人が物価の安さから中国で買い物に明け暮れた様子に似ている」と話す。
海外ショッピングブームはしばらく続いているが、人気商品はその時々で異なる。少し前は汚染粉ミルク事件の影響で、頼まれて粉ミルクを買ってくる人が多かった。今では粉ミルクのほか、ホワイトカラー層には海外の高級化粧品が人気がある。孫さんによると、現在はウォンの値下がりが激しいため、韓国を旅行して韓国の化粧品を買おうとする人が多い。韓国ブランド・ラネージュのナイトクリームは、北京で買えば180元ほどだが、韓国で買えば免税手続きやレートの換算などはあるものの120元ほどで済み、おまけにサンプルもたくさんもらえて「お得感」がある。
経常的に出国する人にとって、海外ショッピングは人に頼まれたり、自分のためにするだけのものではない。中には海外で税率の低い製品を購入し、中国で販売するという人もいる。空港付近にある化粧品街には、キャビンアテンダントが海外から持ち帰った化粧品を売る店がずらりと並び、製品は本物で価格が安いことから、たくさんのOLが買い物にやってくる。多くのOLが化粧品などの生活用品は人に頼んで海外で買ってきてもらうか、ここに来て購入するとしており、国内のデパートなどで買うという人は少数派だ。
孫さんは「しょっちゅう海外で買い物していれば、海外でのショッピングに非常に詳しくなる。無計画に買い物するという人は少なく、製品のルートを見比べ、国を選んで買い物するという人が多くなった。粉ミルクはニュージーランドか日本の製品の人気が最も高い。化粧品はフランス、韓国、日本で買う人が多い」と話す。韓国文化観光省の情報によると、現在、中国は韓国への旅行者の国別上位2カ国に入っており、同省が相次いで整備し、打ち出す新たな観光ルートのほか、韓国産化粧品も中国人観光客を引き寄せる強力な「武器」になっている。
「人民網日本語版」2008年11月4日 |