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中国は今後も海外企業の投資先 UNCTAD専門家
発信時間: 2009-01-27 | チャイナネット

国連貿易開発会議(UNCTAD)投資・技術・企業開発部(DITE)の代表を務める国際投資問題の専門家・セン曉寧氏はこのほど、新華社の取材に応える中で「金融危機や世界的な経済低迷などの影響を受けて、2009年の世界の対外直接投資は08年より減少する可能性があるが、中長期的にみれば今後の展望は引き続き明るい」と述べた。勝且≠フ発言の主な内容は次の通り。

今後の中国への対外直接投資についていえば、2009年には一連の課題が現れるが、中国が引き続き海外企業にとって第一の投資先国であることには変わりがなく、中長期的な展望は依然として明るい。

世界経済の低迷、貸し付け資金の不足、企業利益の低下といった要因が、海外の対中直接投資に大きな影響を与えているが、国や地域ごとに状況は異なり、受ける影響に も程度の差がある。

UNCTADが発表した最新のデータによると、08年の世界の対外直接投資額(フロー)は1兆4500億ドルで、07年の1兆8300億ドルに比べて約21%減少した。うち先進国への投資額は8401億ドルで同32.7%の減少。米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダなど、伝統的な外資導入大国といわれる国々に流入する資金がいずれも減少した。

一方で08年に発展途上国に流入した投資資金は5177億ドルで前年をやや上回った。うちアフリカの外資導入額は619億ドルで、増加幅は他地域を上回り最大だった。2位は中南米地域。このほか東アジア、南アジア、東南アジア地域と東欧、南欧地域および独立国家共同体(CIS)に流入する資金が大幅に増加し続けた一方で、西欧地域への流入資金は同21.3%減少した。

金融危機がもたらした直接的な結果の一つは、国境を越えた国際的な合併買収(M&A)が大きな影響を受けたことだ。08年の合併買収額は総額1兆1837億ドルで同27.7%減少した。これと対照的に、新たな投資や既存設備の拡張などの金融危機に対する抑止力が強まり、昨年はこうした投資プロジェクトの件数が10月末時点ですでに前年の登録件数を上回った。

世界の対外直接投資の今後についていえば、短期的には先進国への流入資金が減少を続けるとみられる。危機が一層拡大し、深刻化すれば、発展途上国への流入資金も減少が予想される。09年には世界の対外直接投資は一層減少する見込みだが、経済低迷や金融危機に対する対外直接投資の「抵抗力」は株式・証券投資をはるかに上回るものであり、マイナス要因もあればプラス要因もあるため、09年から2010年にかけて、世界の対外直接投資は引き続き9千億ドルを上回る水準を維持していく可能性がある。

「人民網日本語版」2009年1月26日

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