9.投資の伸び、鈍化しつつも安定し比較的速いペース
投資の伸びは今年、減速を招く要因が多いことから、昨年より鈍化する。このうち、全社会固定資産投資は19%、都市固定資産投資は20%、不動産開発投資は10%の伸びとなると見られる。
経済の安定的かつ比較的速い成長の維持が、今年のマクロ経済政策の最重要目標となる。世界的な金融危機は依然として蔓延しており、中国経済に与える影響はより顕在化している。共産党指導部と政府は厳しい情勢への対応に際し、経済の安定的で比較的速いペースの発展を経済運営の最重要任務に位置づける方針だ。柔軟かつ慎重なマクロ経済政策を堅持し、積極的な財政政策と適度に緩和した通貨政策を引き続き実施することで、減税や政府による投資拡大など様々な手法を総合的に運用していく。これにより、国民生活の保障、内需拡大、発展方式の転換、および、構造調整などが重点的に進められる見通しだ。
また、政府が昨年第4四半期に1000億元投入し、スタートした建設プロジェクトは、今後2年で合計約4兆元の資金が必要となり、投資体制と投資資金配分案では、政府による1兆1800億元の投入が必要としている。この資金投入は、投資の安定化を図り、経済を牽引する重要な役割を果たすと見られる。
さらに、政府による中部地域振興と西部大開発戦略推進のもと、東部地域では物流、情報、金融、テクノロジーなどの現代サービス業の発展、西部地域では従来型サービス業の高度化および、労働集約型と資源集約型産業の沿海部地域からの移転が加速しそうだ。国外の経済環境と需要が厳しさを増しているため、政府は内需拡大政策をさらに強化し、東南沿海地域から中西部地域への産業移転を加速させる方針。このことは、投資の安定的な伸びに大きく寄与すると考えられる。
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