世界金融危機は現在、中国経済の複雑性をさらに深めようとしている。過去の経済危機では、特定産業内で減産や価格制限を行ったり、特定分野の産業化で経済成長のポイントを作ったり、輸出の増加で経済の減速に対応したりという措置が取られてきた。だが今回の危機は、このような措置では対応しきれない。我々が求められているのは、さまざまな要素が複雑にからみあい、数量と程度を科学的にうまく把握しなければならない新たな処方箋、国内住民の消費拡大である。「京華時報」が伝えた。
国内住民の消費をどのように拡大すればいいのか。その答えとは、就業を増加させ、低所得者に減税や賃金増加の措置を取ることだ。
政治経済学の基本的原理によると、経済危機の本質は生産過剰だ。健全な経済体では、生産と消費はほぼ平衡を保っている。人間の体でも、骨格や筋肉の成長にはたくさんの栄養を取らなければならないが、消化系統や排泄系統も栄養摂取量と見合った働きをする必要がある。中国の貯蓄の過剰に対する欧米の非難が話題となった。これらの非難は礼に欠け、自らの失敗を他人に転嫁するものとも思える。我々もこれに対しては断固として反対する。だが我々が理解しなければならないのは、米国の症状が消費過剰の引き起こした深刻な「脱水状態」だとすれば、中国の症状は貿易不振による「腹部膨張」だと言えるということだ。世界が直面している金融危機が同一のものであるにもかかわらず、両国の問題の性質は全く異なっている。
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