ホーム>>経済>>視点
評論:穀倉地帯の干害を乗り越える努力 
発信時間: 2009-02-11 | チャイナネット

元駐日特派員・林国本

 

今年は連続数年の豊作を喜んでいる矢先に、稀に見る干害に見舞われることになり、波及各地では対策に追われている。

「三農政策」といわれる農業、農村、農民に対する政策が着々と実施されているなか、いろいろ実効ある措置がとられており、一応大きな懸念はないと思われるが、世界じゅうで「食糧安全」ということが声高に叫ばれるこのとき、やはり万全の対策をとることをおろそかにしてはならないと思われる。

アメリカの学者レスター・ブラウン氏が「誰が十三億の中国人を養うのか」ということを提起していらい、中国では一応力を入れはじめ、その結果、豊作につぐ豊作で、今度は穀物貯蔵庫が足りなくなるという「うれしい悲鳴があがる」ことになった時期もあった。しかし、「食糧戦略」ということが世界的課題となった今日、このことについてはさらに本腰を入れて取り組む必要があろう。

中国の歴史をふりかえってみても分かるように、「民は食をもって天となす」といわれるように、民の食の問題は、肝じんな事柄であり、それを上手に処理することはわれわれが目標とする「和諧社会」を実現するためのステップのひとつである。

今回の干害の広がりをみると、降雨量の激減という不可抗力の要因もあろうが、それと同時に農村地帯の灌漑施設の整備、節水型農業への取り組みにこれまで以上に力をいれることが必要と見られる。

日本では流域プランニングとかいうことがすすめられているが、中国のような広大の国土を流れる日本の十数倍の河川のプランニングはより大きな構想を必要としよう。今回は黄河の水を利用して灌漑を強化する措置もとられており、また、天気予報などからも、まだいくらかの降雨量も見込まれるのでなんとかなろう。

とはいうものの、今回のことから考えなければならないことは、「気候頼り」というか、「おてんとうさまに頼る」農業からの脱却ということである。

大規模の農業水利施設ということは、昨今の内需拡大策の一アイテムとされているが、たしかに個々の農民、一県、一省単位の資金力では、あまり大きなことはできない。全国的なプランニングはどうしても政府の力を欠かすことはできない。

 

1   2    


  関連記事
  同コラムの最新記事

· 中国、消費のGDP成長への貢献度が4割近くに上昇

· 中国、月間自動車販売台数が米国を抜き世界一に

· 減税と賃金アップで消費刺激を

· 深セン、企業の社会保険負担を20億元軽減

· インド、中国を抜きGDP伸び率が最速の経済体に