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評論:穀倉地帯の干害を乗り越える努力 
発信時間: 2009-02-11 | チャイナネット

 

江蘇省北部の食糧生産地は長江の水を利用する手もあり、陝西、山西、河南省は黄河の水を利用することもできよう。しかし、母なる川といわれる黄河は甘粛、寧夏の面倒もみなければならないし、下流の山東省にお裾分けしなければならない。一時、下流の水枯れが問題となった時期がある。プランニングの重要性はここにある。

農業に詳しい友人によると、イスラエルという国は、その建国の経緯から、非常に劣悪な土地条件のもとに置かれてきたので、節水型農業という面ではユニークなものを持っているそうである。筆者も一時期、ジャーナリスティックな視角から節水型農業に興味をもったことがある。スプリンクラー灌漑とか点滴灌漑とかの本も、素人として目を通したことがある。

要するに、水は無尽蔵のものという発想から脱却し、たとえ無尽蔵に近いものであっても、節約して利用するのが節水型農業の根本理念ではないだろうか。

改革、開放三十年の基盤がある今日、上に述べたような課題の解決はそれほどむずかしいことではない。全国の数ヵ所にある世界的レベルに近い土木建設機械企業、ビッグプロジェクトに取り組む経験を蓄積した人たち、これを科学的発展観をふまえて上手に組み合わせれば一つか、二つの省の大型水利施設はつくれる。北京市なんかでは、オリンピック施設をつくると同時に、何本かの地下鉄も完成している。そして、今日、さらに何本かの地下鉄工事の着工している。さらには北京―瀋陽間の高速鉄道の今年六月の着工と、力としては十分にある。この辺で全国で重要視される河南省を含めての一つか二つの省で近代農業施設の建設を考えて見てはどうか。そうすれば、少なくとも天候に一喜一憂する生活から決別することができよう。いくら切迫していようと、洗面器で干害を防ぐシーンは、様にならないと思う。有人宇宙飛行の技術力を持つ国として、もっと近代的にやり方があるはずである。さいわい、ポンプなどを見ると、かなり先進的なものも目につくので、洗面器による急場しのぎも、発展途上国として避けられないことであろうが、今年は改革・開放の次ぎのスタートの年、被災地復旧や国際経済危機というとんだとばっちりの中で、多忙ではあろうが、農業に力を入れることを重要している以上、灌漑施設の完備、節水型農業の模索、耐乾型穀物の育種に取り組んではどうかと思われる。「天候に一喜一憂」することを乗り越えれば、基盤そのものがぐらつくことがないので、その他の課題にゆとりをもって取り組めるようにもなる。次の三十年は控え目に見積もって中程度の発達国に仲間入りすることになるのだから、それを念頭において頑張ることが必要である。

 

「チャイナネット」2009年2月11日

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