2月9日、就任後初の記者会見で8000億ドルの景気対策について語るオバマ米大統領
ニューヨーク・タイムズ紙コラムニストで、『フラット化する世界』の作者であるトーマス・フリードマン氏は昨年末、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に「大解明(原題:The Great Unraveling)と題するコラムを寄稿した。このなかで同氏はまず、「中国・米国経済は『二国一制度(2つの国が同一制度を運営)』となっている」と指摘。さらに、「中国の視点から、米国の銀行の危機を見ると、目を見張り言葉に詰まるほどの驚きのほかに落胆を感じる。驚きを感じる理由は、米国と中国が『二国一制度』に向かっているという結論を避けられないからである」と説明する。
こうした点を容易に指摘できる理由について、「米国が大規模な銀行救済策を打ち出した結果、以下のような状況が明らかになった。中国には巨大な国有銀行部門と民間部門がある。米国にも現在、巨大な国有銀行部門と民間部門がある。さらに、中国には巨大な国有工業部門と民間部門がある。米国政府が自動車産業を救済すれば、米国も巨大な国有工業部門と民間部門を持つことになる」としている。
フリードマン氏のこうした見方に対し、批判的な意見が多く出されている。中国の発展の方向性は、同国の特色ある社会主義の建設であり、特色ある資本主義の建設ではない。社会主義と資本主義は、政治体制において容易に区別することができるが、経済体制ではどこに違いがあるのだろうか。
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