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1.金融政策の目標は成長維持、デフレ防止、リスク抑制
中国は今年も急速な経済成長を維持し、金融の安定運営を行いたいが、直面する困難は多い。しかし、インフレ圧力は明らかに昨年よりも低下しており、デフレの可能性すらある。こうしたなか、経済成長の急激な減速と金融リスクの高まりが、金融コントロールの主要な問題となりつつあることから、金融政策の目標を「成長維持、インフレ抑制」から「成長維持、デフレ防止、リスク抑制」に転換することになりそうだ …全文へ
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2.新均衡点を模索する原油価格、見通し不透明の穀物価格
米国の金融危機が次第に世界に拡散し、相次いで実体経済に打撃を与えていることから、今年の世界経済は大きく低迷すると見られる。こうしたなか、石油需要の伸びは著しく落ち込んでおり、数年間続いた世界の石油需給のアンバランスな状態は緩和されそうだが、石油輸出国機構(OPEC)は大幅な原油価格の下落を食い止めるために、生産制限による価格維持政策を打ち出す方針だ …全文へ
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3.楽観できない雇用情勢、製造業雇用に大きな打撃
中国の雇用情勢は世界的な経済危機によるマイナス影響を受けており、今年も楽観することはできない。経済成長を牽引してきた製造業は最も多くの就業者を抱えているが、今後、世界的な経済危機の最も大きな影響を受けることは確実だ。製造業は今後数年間、大規模な調整を迫られるが、雇用面での打撃が大きいと見られる。製造業の最大の弱点は、最終製品の輸出を中心とし、国外のマーケティングチャネルや国外市場に過度に依存している構造だ…全文へ
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4.新マクロ経済政策で一部関連産業に発展のチャンス
中国のマクロ経済が下降局面と産業構造調整の二重の影響を受けることから、大部分の産業は資金や市場の制約により発展が阻害され、調整を迫られることになる。一定規模以上の工業企業(国有または年間売上高500万元以上の民間工業企業)の利益の伸びはさらに鈍化する… 全文へ
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5.財政収支、昨年を下回り伸びは鈍化
昨年の財政収入は、経済成長の鈍化や政策実施による減収といった影響を受けたため、上半期に高い伸びを示していたが、下半期に入ると伸びは鈍化した。一方、財政支出は過去最高の伸びを記録し、農業、社会保障、公共衛生など経済・社会で発展が遅れている分野、被災地域とその地域住民、科学技術・技術革新および、経済発展方式転換に関する支出が拡大した… 全文へ
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6.物価は低水準で推移、デフレ圧力に直面
消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は今年、低水準を維持し、CPIの通年の伸び率が1%前後、PPIはマイナスとなり、今年上半期、特に2月以降、CPIの伸び率がマイナスに転じる可能性もある。価格の前年比伸び率はテールレイジング要素と新価格押し上げ要素に分けられる…全文へ
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7.引き続き伸びる消費ニーズ、経済成長への貢献度大きく
社会消費財小売総額の伸び率は18%前後で、価格要因を考慮した実質伸び率は15%以上に達する。消費市場が活発さを維持するなかで、消費の実質伸び率の経済成長に対する貢献度は高まりそうだ。今年、政府が打ち出す消費刺激策はより細分化・明確化されるが、市場は良好な発展を続け、消費市場は引き続き速いペースで発展していく… 全文へ
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8.対外貿易、多くの問題に直面
中国の貿易輸出入総額は今年、比較的長期にわたって、前年同月比で大幅に減となり、ドル換算の場合、昨年より20%前後の減少と大幅に落ち込むことになりそうだ。このうち、輸入総額は年平均で25%前後、輸出総額は17%前後の減少となると見られる…全文へ
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9.投資の伸び、鈍化しつつも安定し比較的速いペース
投資の伸びは今年、減速を招く要因が多いことから、昨年より鈍化する。このうち、全社会固定資産投資は19%、都市固定資産投資は20%、不動産開発投資は10%の伸びとなると見られる…全文へ
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10.経済成長の3つのシナリオ、成長率は8~9%に
世界の経済環境は今年、やや後退、低成長、やや回復の3つの方向に分けられる。これらに対応する3つの異なるマクロ経済政策と組み合わせ、中国経済の見通しを以下の3つのシナリオで示すことができる…全文へ
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