3月5日に開催された第11期全国人民代表大会第2回会議で、温家宝国務院総理は政府活動報告を行った際、「発展パターンの転換を速め、経済構造の戦略的調整を大いに推し進める」ことを2009年の中国政府の主要任務の1つとされた。具体的な内容は次の通り。
今年は成長の保持とグレートアップの促進をめぐって、工業構造の調整に重点的に取り組まなければならない。①自動車や鉄鋼、造船、石油化学、軽工業、紡績、非鉄金属、プラント製造、電子情報及び現代物流などの重点産業において、調整・振興計画を真剣に実施すること。②企業の組織構造の調整や吸収合併・再編に力を入れて取り組み、優位企業が劣位企業や経営難の企業を合併・買収することを助成し、強者同士の連携と上・下流企業間の一体化経営を励まし、産業の集中度及び資源配置の効率を高める。③より強力な措置をとって、中小企業の発展を助成すること。④企業が技術の改良と進歩を速めることを鋭意支援し、革新型企業を建設すること。⑤現代サービス業の発展を速めること。
科学技術のイノベーションを大いに推し進める。それを内需拡大、成長促進、構造調整、グレードアップと緊密に結び付けなければならない。今年度、中央財政は科学技術への資金投下として一四六一億元計上し、二五・六%増とする。①国家中長期科学技術発展計画要綱、とりわけ科学技術分野の重要特別プロジェクトの実施を速めること。②科学技術体制の改革を深化させ、技術革新において、主力となる企業の役割を十分に発揮させること。③プラント製造業の強大化に取り組むこと。④新エネルギーやバイオ、医薬、3Gモバイル通信、異種ネットワーク連携及び省エネ・環境保護などにかかわる技術研究・開発と産業化を助成、推進し、ハイテク産業群を発展させ、新たな社会需要を創出する。⑤引き続き科学教育による国家振興戦略や人材による強国戦略及び知的財産権戦略を実施すること。
いささかも弛むことなく省エネ・排出削減及び生態環境保護事業を強化する。①重点として工業、交通、建築の三つの分野における省エネ事業に着実に取り組み、引き続き十項目の重点省エネプロジェクトの整備を推し進め、電気設備、ボイラー、自動車、空調機、照明などの分野の省エネ措置を実行すること。②循環型経済とクリーン・エネルギーの発展に力を入れること。③省エネ・環境保護に関する諸般の政策を健全なものにし、省エネ・排出削減指標体系、チェック体系、モニタリング体系の要請に基づき、それを着実に実行に移すこと。④全国民に向けた省エネ・排出削減キャンペーンを繰り広げ、政府機関、公営企業、事業体は模範としての役割を果たすべきであること。⑤引き続き重点となる流域と地域の汚染防除を強化し、石漠化・砂漠化対策を強化し、重点防護林、天然林保護と北京・天津における風砂発生源地区の整備などの生態系整備プロジェクトを実施し、水、森林、草原、湿地などの生態系を保護する。⑥国の気候変動対策案を実施し、気候変動への対応能力を高める。
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