日本企業が、その保有する技術(ノウハウ、特許、ソフトウェアなど)をその中国における子会社や出資関係のない他の中国企業に使用を許諾し、中国企業からライセンスフィー(技術使用料)を受けとるケースが実務ではよく見受けられます。本稿では、中国企業に技術の使用を許諾する際の関連留意点をご説明したいと思います。
1.輸入が認められない技術がある
現在中国では、外国から輸入する技術をA輸入禁止類技術、B輸入制限類技術、C輸入自由類技術の3種類に分類しています。輸入禁止類技術は、文字どおり中国に輸入してはならない技術のことをいい、これに対して、輸入制限類技術とは、政府商務部門から許可証を受けることを条件に、中国に輸入することが認められる技術のことをいいます。一方、輸入自由類技術は、自由に中国に輸入することができますが、技術輸入者(中国企業)が政府商務部門でライセンス契約を登記する必要があります。
このように、中国ではその技術の内容により、輸入自体の可否や、許可を受ければ輸入できるものなど細かく規定されています。現在、中央官庁商務部が、国務院の他の関連部門とともに、輸入禁止類技術および輸入制限類技術の目録を適宜に制定し公布していますので、日本企業が中国企業に技術の使用を許諾する際には、あらかじめ当該技術がどの種類のものに該当するのか、目録を確認する必要があるでしょう。なお、目録に取り上げられない技術は、輸入自由類技術に分類されます。
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