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トヨタ、中国のブルー・オーシャンを開拓
発信時間: 2009-03-11 | チャイナネット

 

08年、トヨタ自動車の世界販売台数(ダイハツ工業、日野自動車を含む)は897万2千台で、前年同期より4%減少したものの、GMを越えて初めて世界一の座に着いた。しかし、トヨタはこれに喜んではいない。なぜならトヨタの08年度の最終赤字は3500億円となり、1959年以来初の赤字転落となったからだ。「天府早報」が伝えた。

しかし、トヨタが中国で設立した一汽トヨタと広州トヨタという2つの合弁会社は08年、17%の成長を遂げた。中国市場での販売台数を引き続き伸ばすことが、09年のトヨタの中国市場における主要任務となる。

これら合弁会社2社によるSUV(スポーツ用多目的車)のRAV4とハイランダー(中国名、「漢蘭達」)のリリースからも分かるとおり、トヨタは現在、中国市場でのブレークスルーを目指している。

車市場の低迷期にある各メーカーにとって、急速に発展する中国市場で「ブルー・オーシャン(競争がない未開拓の市場)」を開拓することは重要な戦略となっている。昨年から25.28%の成長を維持したSUV市場に目をつけたトヨタは、コンパクトなサイズのSUVであるRAV4と、「マルチ」なSUVであるハイランダーを発売することを決定した。

SUV、乗用車、ミニバンの特徴を併せ持つ独特な車種であるハイランダーは、トヨタの中国市場における「ブルー・オーシャン」だ。この車種は海外市場では最も売れ行きのよいSUVの一つで、数え切れないほどの賞を獲得している。ハイランダーはSUVではあるが、様々なニーズに応えることに重点を置いている。このことは、車の多機能性を重視する中国の消費者の心をつかむポイントと言えよう。たとえば、ハイランダーのデザインは家庭用としてもビジネス用としてもよく、また居心地のよさと操作性のバランスもとれている。生活の質を求めるハイエンドな消費者にとって、ハイランダーは最もよい選択となりそうだ。

トヨタはハイランダーを中国市場の突破口とし、ハイグレードSUV市場への投入を強めていく計画だ。このことは、これまで慎重だったトヨタが実行的に変わりつつあることを意味する。トヨタは中国市場の消費能力を低く見積もり、廃れた車種を発売するのではなく、中国市場を固めるために世界と同じ戦略をとったのだ。

現在、ほとんどのグローバル企業が中国市場の潜在能力を低く見積もらなくなった。中国市場の急速な成長の力を借りて、さらなる資源を中国に投入し、下降する世界市場を救うことこそが、彼ら生存の道となるだろう。

「人民網日本語版」 2009年3月11日

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