世界銀行は18日、「中国経済四半期報告」を発表し、09年の中国の国内総生産(GDP)成長率を、08年11月末の予測よりも1.0ポイント低い6.5%とした。「上海証券報」が伝えた。
この報告によると、今のところ中国の銀行業は基本的に国際金融危機による影響を受けておらず、中国経済は依然として力強い刺激策による大きな発展の可能性を秘めているものの、金融危機の悪化に伴い、中国の輸出への打撃は大きく、これが民間投資や市場予測へも影響し、特に製造業で顕著となっていくという。世界銀行は、世界的な経済危機が今後も続けば中国の今年と来年の経済成長にもブレーキがかかると指摘。このため2009年の中国のGDP成長率を6.5%に下方修正した。
6.5%の成長ペースは潜在成長を大きく下回っているため、大量の遊休生産能力によって今後数年間民間投資が落ち込み、雇用増加と農村の労働力移転が緩やかになると警告する。
世界銀行は、こういった状況下にあっても、中国は他国よりも高い経済成長を維持し、安定した比較的速い発展を実現するとし、その理由として▽主に中国の経済成長は外国資金に頼っていないこと▽次に中国の銀行業は基本的に国際金融危機の影響を受けていないこと▽そしてレバレッジ比率がここ数年低下し、経済成長への融資支援ができることをあげている。また中国の財政・通貨刺激策によって経済成長をさらに推し進めることもできる。これまでに打ち出された刺激策は活発な経済活動や市場の信頼性を高める作用を発揮し始めている。現在、政府主導の投資に勢いがあることから、世界銀行は今年政府主導の投資が中国のGDP成長の4.9ポイントをけん引すると予測している。
通貨政策について、世界銀行は、インフレ圧力が現在非常に小さく、通適度に貨政策を緩和する必要があるとの考えを示している。
「人民網日本語版」2009年3月19日