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高速鉄道「京津都市間鉄道」(北京-天津) |
ここ数年来、世界的なエネルギー不足や環境の悪化を背景として、鉄道がその技術的・経済的特徴により、消費者に改めて受け入れられるようになっている。持続可能な発展を実現させる一種の新しい交通輸送概念として「エコ鉄道」が注目を集めている。これは鉄道がもつ優位点を利用して、生態環境へのマイナス影響を軽減し、鉄道の設計、建設・改修、運営、管理などの面で環境保護を達成しようとする概念だ。現在、中国の鉄道は発展の黄金期を迎えており、古めかしかった鉄道がエコロジーへの配慮という新たな衣をまとうことにより、改めて脚光を浴びるようになっている。「人民日報」海外版が伝えた。
▽高速鉄道で汚染物資ゼロ排出を実現
鉄道部の王勇平報道官によると、ハイテク技術の後押しを受けて、高速鉄道の技術や貨物積載の技術が迅速に発展しており、鉄道がもつ省エネ、環境保護、スピード、安全といった優位点がより一層注目されるようになっている。
鉄道にはエネルギー消費量や汚染物資排出量を削減できるという特徴があり、多くの国が鉄道を交通産業の発展における重点分野と位置づける。高速鉄道の誕生と成功により、世界は鉄道の価値を見直し、スピード、エコ、省エネ、安全、便利を利点とする高速鉄道の建設がすでに世界的な潮流となっている。
2008年7月1日、中国初の最高時速3507キロの高速鉄道「京津都市間鉄道」(北京-天津)が開通し、エコ鉄道の新たなシンボルとなった。都市間高速鉄道は滑らかな外観、流線型の、かつ極薄のアルミ合金でできた中空構造の車体などにより、エネルギー消費量を大幅に削減することに成功した。
おおまかな計算によると、CRH3型新型高速列車は一人当たりの電力消費量がわずか15キロワット毎時にとどまり、北京・天津間の一人当たり平均電力消費量に至ってはわずか1.5キロワット毎時だ。高速列車の国内総生産(GDP)1万元当たりのエネルギー消費量は「ボーイング747型機」の3%以下、リニアモーターカーの40%、乗用車の20%だ。
新型高速列車は省エネだけでなく、汚染物資排出削減の「名手」でもある。同部運輸局の張曙光局長(副総工程師)によると、高速鉄道は汚染物資を排出しない。高速動力車が電力駆動方式を採用しているからで、京津都市間高速鉄道は「ゼロ排出」を達成した鉄道路線の一つだ。