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中国式「マーシャル・プラン」の実施は今がタイミングか?(2)
発信時間: 2009-04-30 | チャイナネット

                  中国社会科学院米国研究所 苑基栄博士

 

「マーシャル・プラン」を実施する理由

中国が「マーシャル・プラン」を実施するには次の理由がある。一つは外需を刺激して内需を拡大するためだ。世界銀行の林毅夫副総裁は、「米国、ユーロ地域、日本、中国など外貨準備高が多い国と石油輸出国は、今後5年間、低収入国に2兆ドルを投資する。この資金は献金であり借款ではない方法で支給しなければならない。低収入国の経済発展を促進してこそ商品に対するニーズが増え、最終的に先進国からより多くの商品を購入する」と語っている。

外貨準備高が多い中国にとって、「マーシャル・プラン」の実施はリスクを分散する手段でもある。中国にとって無償資金援助という形は望ましくないが、借款という形で援助が必要としている国を救い、それらの国の景気が回復すれば中国商品の購入を促進する。

二つ目は、中国の経済刺激によってもたらされる過剰生産能力というマイナスの影響を防止するためだ。全国政治協商会議委員で元中国国家税務局の副局長である許善達氏は、2009年両大会で、新興市場を援助して効果的な外需を増やすという中国の特徴的な「マーシャル・プラン」の実施を提案した。

この実施で融資や生産能力も送り出すことができ、過剰な生産能力が国家債券に転換することにもなる。中国は4兆元の景気刺激策を打ち出しており、地方の政府を加えれば合わせて20兆元にもなるため、ある程度、生産能力の過剰は避けられない。

三つ目は、外貨準備高の分散だ。データによると、今年の1月末までに中国が保有している米国国債は7396億ドルで、米国にとっては最大の保有国だ。

オバマ政府が打ち出した景気刺激策は非常に膨大で、財政赤字は急上昇している。連邦準備銀行(FRB)の負債はすでに3兆ドルに達し、インフレは避けられない。一方でFRBは3月18日、3000億ドルを拠出して長期国債を買い入れると発表した。これは最後の局面になって初めてその真意がわかるだろう。

FRBが機関の一般担保付債券と長期国債を買い戻すことは、米国金融機関の国内向けの財務落ち込みと債務危機が、見かけより更に緊迫していることを示している。そして最も厄介なのは連鎖反応で、FRBの資金はいったいどこから来るのだろうか。

8200トンの金を安価で投げ売りするわけはない。たとえ930ドルの時価で全て投げ売りしてもたった2700億ドルだ。これでは金融危機から米国を救おうとしている米政府には何の効き目もなく、今回の長期国債の買い入れにも足りない。そのためFRBはどうしてもドル紙幣を増発しなければならない。

中国の外貨準備高の価値が下がるのは時間の問題だ。それより緊急に資金を必要とする国に支援を行い、中国の商品の輸入を拡大させたほうがいいのではないか。これはウィンウィンあるいは多方面がともに利益を得る。

四つ目はグローバル経済戦略の基礎を固めるためだ。20世紀の「マーシャル・プラン」実施は、北大西洋条約機構(NATO)の発足後、米国の西側での指導的地位を大いに促した。中国は世界の覇権は狙っていないが、輸出重視型経済の拡張とともにグローバルな角度から中国経済の発展戦略を再び考えることは必要だ。

能力相応の援助

中国はまず中国式の「マーシャル・プラン」の看板を掲げ、中国が何しているかを世界に知らせる必要がある。しかし援助国を真剣に選択しなければならない。

次は責任を負う専門機関を発足させ、その行動を透明化することだ。中国は引き続き発展途上国や特にアフリカ諸国により多くの援助を広げ、自らの承諾を果たすよう世界各国に呼びかける。その上で様々な貨幣援助をすることは、国際金融危機に対応するための中国の重要な貢献である。

しかしこれらはまだ力が一つになっていない。購入と援助を全て計画に入れ、専門の機関を設置し、世界へのアピールを強め、その規則をより透明化にすれば、その影響と力は今より強くなる。

そして形式に固執しないことだ。様々な形や方法で多くのルートで展開する。中国アルミがリオ・ティントの株を取得したことはそれをはっきり表している。中国が他の国とともに、あるいは自ら中国式の「マーシャル・プラン」や「基金」を作成し、米国を初めとする金融危機の衝撃を受けた国々に能力相応の援助を提供することは可能だ。

「チャイナネット」 2009年4月30日

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