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日本製造業の中心、中国へ移転?
発信時間: 2009-04-30 | チャイナネット

金融危機の津波で揺れる欧米の経済。アジアで最も重要な経済大国として、中日両国の産業構造調整の行方が注目されている。アジア製造業協会の羅軍CEOは、記者の取材に応じた際、「四兆元投資により、中国の製造業は自動車、工事機械、高速列車、地域路線用旅客機などの分野で急速な発展を遂げるだろう。日本の製造業も、その中心を中国へ移転する」と語り、さらに次のように述べた。

国際経済の低迷、円高及び欧米の貿易障壁の影響により、日本の製造業の受注は減り、シェアは縮小、失業者も増加し、国際競争力は厳しい試練に直面している。しかし、日本の製造業は中国と違い、すでに産業チェーンのトップにあるため、発展余地は限られ、モデルチェンジを迫られている。その反面、中国の製造業は産業チェーンの中・低位置にあり、技術レベルが遅れ、主にローエンド製品の生産をしているため、発展余地はかなり大きいと言える。

現在、多くの日本企業は、戦略の中心を欧米から中国やインドなどの新興経済体に移し、投資も拡大している。たとえば、シャープは初めて中国と協力し液晶パネルを製造し、日産も武漢での投資を拡大し、電気自動車の商業化を促進している。また、伝統産業の分野では中国企業との競争が激しくなり、利益は激減し、伝統的な産業分野から撤退、新エネルギー分野に専念するようになった。一部のハイテク企業も、中国に移転しつつある。こうした動きは、まさに一部メディアで取り上げられている「多くの日本企業が中国から撤退」という論調とは正反対である。

現在、日本企業2万社余りが中国に進出しているが、そのうちの大部分は製造業で、全体の収益は望ましいものである。このほど開催された電動自動車産業フォーラムにおいて、日産の志賀俊行COOは、「世界中の合弁会社と支社の中で、経営黒字となったのは中国部門だけ。今は中国部門が会社全体を引っ張っている」と語ったことがある。また、トヨタやホンダの利益伸び率も世界経済の後退より影響を受けたが、中国での経営を楽観視している。

日系企業は中国への投資を増やし、シェア拡大をねらうと同時に、新たな製品を開発し、産業構造を調整し、金融危機の収束後に新たに市場を占有することを目指している。たとえば、省エネ、環境保全、新エネルギー、電子情報、バイオ技術、設備製造業などの分野において、日本企業は先端技術を持っており、金融危機の収束後に日本がこうした産業をリードすることになるだろう。

 

「チャイナネット」 2009年4月30日

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