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竜永図ボアオ秘書長、中国レート操作論に反論
発信時間: 2009-05-12 | チャイナネット

 

このたびの金融危機を予測した、2008年ノーベル経済学賞の受賞者のポール・クルーグマン氏は11日北京で「非凡な資産家ポール・クルーグマンの中国ウィーク」と題するイベントを行った際、次のように述べた。さまざまな経済指標をみると、金融危機の極端な段階はまもなく終わろうとしており、今年9月には政府が低迷の終わりを宣言する可能性すらある。世界中で自然な低迷による再崩壊は起きていない。だが経済危機から1ー2年で復興を遂げることは難しく、およそ5ー10年の困難な時期を経なければならないと思われる。「新京報」が伝えた。

クルーグマン氏は中国の専門家との交流活動の中で次のような見方を示した。中国の巨額の貿易黒字は政府が為替レートに介入し操作したことの結果だ。中国は相対的に固定したレートを設定し、それから外貨を大量に購入することで、比較的弱い自国通貨の価値を維持している。

博鼇(ボアオ)アジアフォーラムの竜永図秘書長(事務局長)はクルーグマン氏の発言に続くスピーチの中で強く反論し、次のように述べた。中国は貿易黒字の多さで責任を問われることはない。中国はクルーグマン氏が想像するようないかなる為替レート操作も行っていない。中国が現在、通貨の自由両替を行っていないのは、実際には米国主導の金融秩序がもたらした結果なのであり、これは中国政府の操作ではない。

また竜秘書長は次のように述べた。現在、世界中の国の中で、通貨の両替を実施していない国もあれば、自国の資本市場を開放しないと決めている国もある。クルーグマン氏は自国通貨の両替を実施しないとしている国はすべてレート操作を行っているとみなすのだろうか。

さらに竜秘書長は次のように述べた。グローバル金融システムは米ドルを中心とした通貨システムであることが国際貿易の不公平さを招いている。これこそまさに米国債を購入すれば収益がマイナスになると知りつつも中国が購入を続ける理由だ。こうしなければ、このたび中国が失った外貨建て資産は、中国人民銀行の発表した100億ドルどころではなく、数千億ドルにも1兆ドル以上にも膨れあがったことだろう。

「人民網日本語版」2009年5月12日

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