香港智富エネルギー金融グループの劉夢熊・主席(全国政治協商委員)は、黄金市場はまもなく上がり相場となると予測している。世界経済の回復スピードが速いほど、上がり相場の到来も早まる。ドルが大量に印刷されている現在、ドルの値下がりは必至だ。中国を含む各国の中央銀行にとって、為替変動によるリスクを避けるための選択は金準備高を増加させることだ。
劉主席によると、数千億ドル規模の資金を各国が市場につぎ込んでいることは、経済回復後のインフレの原因となる。このため、各国の中央銀行の需要だけではなく、インフレに対抗するための民間からの投資需要も金に集中することになる
劉主席の観点は、ワールドゴールドカウンシルの報告によっても裏付けられた。今年第1四半期、世界の黄金アクセサリーへの需要は2割以上減ったにもかかわらず、黄金需要の総量は38%も増加した。増加分のほとんどは投資需要と考えられる。
注意すべきなのは、楽観的な見方が市場で広がっている一方で、中国中央銀行という大きな買い手が金準備高の目標をまだ公表していないことだ。中央銀行が時機を待っているのか、判断を下しかねているのか、もうしばらく観察していく必要がある。ただ中央銀行はすでに、今年第1四半期の貨幣政策実施報告で、今後起こりうる世界的なインフレに対する警戒を示している。
「人民網日本語版」2009年5月25日
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