今年1月14日、国家統計局が2007年の国内総生産(GDP)の成長率を11.9%から13%へ上方修正しました。これによると、中国の経済規模は3兆3800億ドルで、ドイツの3兆3200億ドルを追い越し、世界第3位になりました。世界の関心が中国に集まる中、ドイツ国営第2テレビは中国を「新たな勝利者」として報道したとのことです(人民ネット1月19日)。
世界第2位の経済規模を有するのは日本で、4兆3800億ドルです。経済規模で中国が日本を抜くのは数年以内とされています。第1位である米国(13兆8千億ドル)にはまだ距離があるものの、東アジアに、二つの経済大国が並び立つことになった意義は少なくないでしょう。
その中国で最近、日本の経済力を意識した論調がやや目立つようです。例えば、2008年12月23日付の『中国青年報』に掲載された論文「日本がなければ、中国の『改革・開放』は今と異なっていたかもしれない」などがあります。(注1)
持ちつ持たれつ
『中国青年報』の論文はまず、1978年10月に「改革・開放」政策の生みの親である鄧小平氏が訪日した折の「このたびの日本訪問で日本の経験を視察したい。日本が科学技術を発展させた先進的経験を中国にもち帰るつもりだ」との発言(注2)を紹介しています。そのうえで、「30年前、日本は中国にとって最大の援助国であり、日本からの多額の借款が両国の経済交流の発展の基礎となった」と評価しました。
さらに「今日、中国が日本経済の再生に大きく貢献するようになった。日本がなくても『改革・開放』は進められたが、そのやり方と内容は同じではなかったはずだ。ただ、歴史が日本を選択し、鄧小平氏が日本を選んだ。日本は中国の『改革・開放』の推進に一役買った」と続け、「これにより中国は活気がみなぎり、これまでに益するところ大であった」と結んでいます。日中両国は「持ちつ持たれつ」の関係にあるということを示唆しています。
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