日本の人材養成を参考にする
中国は、「経済大国」の次に「経済強国」になることを目指しています。世界第3位の経済大国になったとはいえ、一人当たりGDPでは世界100位以内に入っていません。人口大国なるがゆえに一人当たりGDPが少ないということもありますが、中国が希求する「和諧社会(調和のとれた社会)」や「小康社会(いくらかゆとりのある社会)」を実現させ、経済力に見合った世界的貢献を果たすには、「経済発展の質」が重要との姿勢が、この「経済強国」という4語に込められているようです。
09年1月16日付の人民ネット(注3)は、「中国には3度目の『日本に学べ』ブームが必要」と題する記事を配信しました。この中で、「中国の3度目の日本学習の要諦は『人の教育』に概括される。日本の本来の条件は中国より劣っている。日本の底力は一流の、組織された人材にある」とし、さらに「今日、日本は省エネや環境保護などの新興分野で強い競争力を備えているが、世界がもっとも注目しているのは、日本の教育の成果だ。中日間の最大の開きはここにある」と続け、「中国はどこへ向かうべきか。日本を見れば、必ずその啓示を得られるだろう」と結んでいます。 日本を「経済強国」と見立て、中国が名実ともに世界第2位の経済規模になるまでに、日本経済の底力となった「教育の成果」をチャイナ・パワーの出力アップの参考にしようということでしょう。
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