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国際金融センター・水上運輸センターを目指す上海
発信時間: 2009-05-29 | チャイナネット

上海の価値

上海にとっては、国際金融センターと水上運輸センターの建設の推進には恵まれた条件がある。

上海は中国では国際化の程度が最も高い都市であり、中国の金融業と水上運輸業が最も発達した都市でもある。2008年に上海市の金融業增加額は前年同期比15%増の1442億6000万元に達した。金融機関の上海における集中度は加速しており、2008年末現在、全市には各種の金融機関が689社あり、中国で金融機関が最も多い都市である。そのうち、銀行業機関は124社、保険業機関は291社、証券業機関は94社ある。各種金融機関では、経営性の外資系金融機関が165社に達し、そのうち人民元業務の経営が認可されたのは57社である。

1990年、中国最初の証券取引所が上海に設立された。

今年初め、上海は国境貿易の人民元決済試行都市に指定された。

金融業に対して上海の水上運輸はさらに国際競争力を持っている。2008年に上海港の貨物取扱量は3.6%増の5億8200万トンとなり、4年連続して世界一を保った。年間港湾コンテナ取扱量は7.1%増の2800万6000TEDで、連続して世界2位となった。

上海の港湾サービスの波状効果機能は絶えず強まっている。年間の輸出入商品総額は前年比16.3%増の6065億5700万ドルに達し、そのうち、輸入総額は10.3%増の2129億700万ドル、輸出総額は19.9%増の3936億5000万ドルに達した。

劉鉄男国家発展改革委員会副主任は4月29日、上海で開かれた記者会見で「上海は中国大陸部で国際金融センターと国際水上運輸センターになるのに最も条件を備えた大都会である」との認識を示した。

実は1991年、中国の改革開放の総設計師・鄧小平氏は上海を視察した際、「中国が金融面で国際的地位を獲得するには、まず上海に頼るべき」と指摘した。1992年の中国共産党第14回代表大会の報告では「一日も早く上海を国際経済、金融、貿易センターの一つに築き上げ、長江デルタと長江流域全域の経済の新しい飛躍を導く」ことが明確に提起された。それ以後の国務院の関係文書でも上海を国際金融センターと国際水上運輸センターに築き上げることがしばしば提起されてきた。

昨年7月、国務院の指示により、国家発展改革委員会は国務院関係部門及び上海市人民政府とともに、いかに上海の現代的サービス業と先進的製造業の発展を推進し、国際金融センターと国際水上運輸センター建設の推進を速めるかについて検討し、政策面で提案した。

今年3月25日、国務院常務会議で「上海の現代的サービス業と先進的製造業の急速な発展、国際金融センターと国際水上運輸センター建設の推進についての国務院の意見」が採択された。

劉鉄男氏の話では、同「意見」の策定と実施は、上海の経済転換と長期的発展に重要な意義があるだけでなく、より重要なことは、世界金融危機に対応する重要な時期に、改革開放と産業構造のグレードアップをさらに推進し、産業競争力と国全体の競争力をたえず高めるという中国の決意と目標がゆるぎないことを示したことである。

楊雄上海市副市長は、上海の「二つのセンター」建設の推進を通じて、上海の総合的優位性をより充分に生かし、上海の産業構造のグレードアップと発展方式の転換を推進し、上海全体の競争力とサービスの機能を高め、より活力があり、より效率に富み、より開放的なシステム・メカニズムの形成を加速させるとともに、全国の経済に対して立派でスピーディーな発展のすばらしい模範を樹立し、立派でスピーディーな発展のサービスを全国に提供していく、と語った。

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