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ガイトナー財務長官訪中 人民元問題の圧力は低下
発信時間: 2009-06-01 | チャイナネット

米国のティモシー・ガイトナー財務長官が5月31日午後、オバマ大統領の特別代表として北京に到着し、3日にわたる訪中日程を開始した。ガイトナー長官の訪中は1月の就任以来初めてとなる。ガイトナー氏の前任であるポールソン前長官は在任中、何度も中国を訪問し、そのたびに人民元切り上げの圧力をもたらし、為替市場変動の原因を作った。この現象は市場で「ポールソン効果」と呼ばれた。ガイトナー長官の今回の訪問も為替市場に影響を与えるものとなるのだろうか。「国際金融報」が伝えた。

▽人民元問題の圧力は弱まる

ドルの対人民元レート仲値が0.5%引き上げられた前取引日に続き、中央銀行は5月27日、ドル対人民元レート仲値を再び0.39%引き上げ、1ドル6.8324元とした。専門家によると、ドルレートの最近の度重なる上昇は、ドルの供給が足りないことを示すものではなく、強いドルを志向する中央銀行の政策を示すものだ。中央銀行は、為替レートという手段を用いて輸出を引っ張ろうとしている。輸出税還付によって輸出を引っ張る余地はすでにほとんどなくなっている。中国と貿易相手の間では貿易紛争が起こりやすくなっている。

上海財経大学現代金融研究センターの奚君羊・副主任によると、ガイトナー長官の今回の訪中とポールソン前長官の訪中では経済的背景に大きな違いがある。ポールソン氏が訪中したのは中国の対外貿易の状況が比較的良好な時期であり、人民元レートに「ポールソン効果」が現れたのも外交政策に対する中国の考慮の結果だと言える。

奚副主任によると、中国の対米貿易は依然として黒字だが、中国の輸出環境全体は深刻な試練に直面している。為替レートの分野で中国が譲ることは、貿易会社の倒産と労働者の失業を意味する。為替レートの面で米国の便宜をはかる条件や土台は、中国にはもうない。

事実、人民元問題での中国への米国の圧力はすでに弱まっている。ガイトナー長官はこのほど、上院銀行委員会の公聴会で、「中国は人民元レートの大幅な上昇を許しており、人民元レートへの介入をすでに大きく減少させた」「中国の為替レート政策は過去2年で大きな変化を遂げた」と語った。

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