ゼネラル・モーターズ(GM)の破産法申請からまもなく、GMのジープブランド「ハマー」が中国企業に売却されるというニュースが伝わってきた。
中国企業が金融危機の下、海外への進出をはかったことは、奨励に値する。中国のマクロ経済は現在、比較的好調となり、外貨準備も十分にある。企業の国際競争力と国際的な管理能力も向上している。対外投資協力の展開には良好な土台があると言える。一方、国際金融危機の発生後、外国政府は経済を振興させるため、外からの投資を歓迎する態度を取っている。過去には入れなかった分野も開放されるようになり、世界経済の局面は重大な調整期に入った。海外の優れた企業や資産を買収するチャンスは増え、投資コストも下がり、取引条件もよくなっている。
中国企業の海外投資は未曾有のチャンスを迎えている。騰中重工によるハマーの買収は、中国企業も参加している世界の産業再編劇の一幕でしかない。
だが注意すべきこともある。今回の危機は、世界経済に多くの不確定要素をもたらし、海外投資を行う企業の市場リスクも拡大した。買収は簡単でもその後の経営は難しい。中国企業の対外投資の経験は浅く、国際経営の開始も遅い。国外のグローバル企業とは、資金力・市場ルート・管理経験などで大きなギャップがある。そのため買収の成功率は決して高くない。自動車産業の分野では、韓国メーカー「双龍自動車」の買収で上海汽車が失敗した例がある。
買収後に必要となるのが統合だ。企業買収はお金を払えばいいというものではなく、統合という本当の試練が買収後にひかえている。財務や業務を足し算のようにくっつけるだけではうまくいかず、国際的な文化の違いや管理面での食い違いも解決しなければならない。相手側の政治・経済・文化・法律や国際会計規則などの知識を高めるといった努力が必要だ。海外投資企業はその努力を通じてこそ、持続可能発展という大計画を実現することができる。
「人民網日本語版」2009年6月4日 |