国際金融協会(IIF)が10日の春季会員会議で発表した報告書によると、中国政府による巨額の経済刺激投資を受け、中国経済の成長率は2009年には7.5%、2010年には9%となる見込みだ。輸出が急落する状況のなか、政府による経済刺激案はすでに、内需を引っ張る役割を果たしている。「国際金融報」が伝えた。
IIFの予想は、中国政府が設けた通年の成長目標8%を下回ったものの、他の機関が発表した予想よりは楽観的なものとなった。世界銀行は以前、6.5%前後という予想を出していた。もっとも世界銀行のゼーリック総裁は今月9日、中国経済の成長率は予想よりも高いものとなる可能性があると語っている。
IIFの報告によると、中国政府が08年末、4兆元におよ経済刺激プランを発表し、公共プロジェクトへの融資を銀行に求めて以来、中国経済は明らかに好転した。第1四半期の中国経済はこの措置によって大きく改善された。IIFの予測によると、中国経済の今年下半期の成長率は8%を超える見込みだ。
中国経済の成長は加速する見込みであるものの、輸出産業にある程度の回復が見られるまでは、人民元のドルに対する値上がりを中国政府は望まないことになりそうだ。IIFの予測によると、ドルの対人民元レートは今年末までに1%の小幅な下落を見せ、1ドル6.8元となる。2010年にはさらに3%下落し、1ドル6.6元となる見込みだ。
報告書によると、中国政府は経済見通しに慎重な態度を取っており、公共投資によって支えられた経済回復は依然として弱いものだとの見解を持っている。中国政府は今後も、経済成長維持のための新たな措置を必要に応じて迅速に打ち出していく構えだ。
「人民網日本語版」2009年6月11日 |