ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストを務めるジム・オニール氏はこのほど、中国経済が20年以内に米国に追いつく可能性があるとの見方を示した。新興市場国が先進国を追い上げるスピードが世界危機で速まっている。
シンガポール「聯合早報」のウェブサイトによると、オニール氏は、中国経済が米国に追いつくと同時期に、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の合計GDPも先進7カ国(G7)を超えるとの予測を示した。オニール氏によると、数カ月前に一部の人が下した「BRICsの夢は危機によって崩れる」との判断とは裏腹に、新興経済国の上昇の勢いは相対的に強まっている。
オニール氏は01年、成長著しい4カ国を指すBRICsという言葉を作った。オニール氏は当時、ブラジル・ロシア・インド・中国の4カ国が21世紀前半に一部の先進国を超え、世界の新秩序の土台となるとの見方を示していた。
ゴールドマン・サックスは現在、今年の世界経済は1.1%のマイナス成長となるが、BRICsの平均成長率は4.8%となると予測している。
オニール氏によると、世界経済の成長傾向を左右する新興経済国の力は、世界経済が好調だった時期よりも高まっている。ロシアの今年の経済成長率が下方修正を受けて大幅に鈍化したにもかかわらずだ。
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