BMWがこのほど、中国中央国家機関の自動車サプライヤーのリストに初めて入った。国務院や中央各部委、国務院直属部門、中央直属機関は今後、政府公用車の調達の際にBMWを入札対象とする。世界トップクラスのBMWブランドが中国の公式車両として認められることになる。「中国広播網」が伝えた。
今回公用車のサプライヤーとして認められたのは華田宝馬(BMW)だ。中国全国での政府調達の対象となる。BMWがサプライヤーのリストに加えられたのには次の4つの原因があるという。
第一に、BMWの品質と評判が高いということ。政府が評価したのは、公務時に要求される特別な能力をBMWが持っていることだ。例えばBMWは、世界の警察機構と50年余りの協力経験がある。中国経済の急速な発展に伴い、警務用を含む特殊車両の需要もますます高まっており、BMWはこのような需要に応える能力を持っている。
第二に、良好な性能のほか、公務用車には、環境保護や省エネ・排出削減も必要となる。BMWは燃費がよく、排気ガスも少ない。これは政府の要求に合致する。
第三に、価格の要素だ。国家規定にあるように、政府調達にあたっては思いのままの購入がなされているわけではない。自動車の調達についても細かい規定があり、部長・省長クラスの幹部に割り当てられる自動車は排気量3000cc以下、価格45万元以内のものとされている。副部長・副省長クラスの幹部には、排気量3000cc以下、価格35万元以内の自動車が割り当てられる。党政機関のその他の公用車は一般的に、排気量2000cc以下、価格25万元以内とされている。車種の状況と割り当ての対象に照らして価格が考慮された。
第四に、08年5月12日の四川大地震以来、BMWは「BMW愛心基金」という慈善基金を立ち上げ、教育や環境保護をサポートしてきた。このこともBMWリスト入りの理由の一つとなった。
関係者によると、BMWが公用車となることで、中国政府の高級車調達でアウディが独占的な位置を占めていた局面が打開される。自動車は政府の大口調達対象の一つであり、政府調達全体の約4分の1を占めている。08年の調達規模は800億元にのぼる。医療部門・教育部門・党政機関は毎年大量の公用車を必要としており、BMWは今後、一定の市場シェアを占めることになると見られる。調達市場自体の大きな規模のほか、政府による自動車調達は個人の消費市場を引っ張る作用もある。高級車では特にこの作用が大きく、市場をリードする一定の作用を果たすと考えられる。
「人民網日本語版」2009年6月12日