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中日経済の実力の差を分析 専門家
発信時間: 2009-06-19 | チャイナネット

 

 中国社会科学院(社会科学アカデミー)日本研究所の張季風研究員はこのほど、中国と日本との経済力についての比較分析を行い、「中国の経済規模は日本により一層近づいたが、国内総生産(GDP)の一人当たり平均や経済の質という点からみると、両国の間には大きな開きがある」との見方を示した。「経済参考報」が伝えた。

 ▽中日間に存在する主な開き

 中日両国間の経済力を比較することは非常に複雑な作業で、比較する際の視点や比較する側面が異なれば、もたらされる結果も異なってくる。たとえば現在の中国の沿海地域、すなわち上海、北京、深センなどの都市建設レベル、市民の生活水準は日本に近づいており、宇宙航空技術の分野や外貨準備では中国は日本を追い抜いてもいるが、より多くの分野で中国は日本に遅れを取っている。

 (1)マクロ経済の面をみると、日本の現代的な経済制度、金融制度、法律システム、現代型企業制度などは相当に整い、成熟したものであり、早くも1960年代に社会全体をカバーする年金制度や医療保健システムが形成されている。現在は財政上の困難さにより日本の年金制度には一連の問題が発生しているが、その基礎は揺らいでいない。一方、中国の現代的な経済制度は建設や整備が進められている段階にあり、医療や年金などの社会保証制度はスタート地点に立ったばかりで、社会全体をカバーするレベルに達するにはなお時間がかかるとみられる。

 (2)発展段階の面をみると、日本は早くも1980年代にポスト工業化の段階に突入し、都市化率は現在70%を超え、都市と農村との間や地域間にはほとんど格差がみられず、国内市場は飽和状態にある。中国は現在まだ工業化の初期から中期の段階にあり、都市化率はわずか46%で、都市・農村間や地域間には大きな格差が存在する。中国農民の購買力は大変低く、広大な農村市場がまだ完全に形成されたとはいえない。

 (3)産業構造の面をみると、日本はすでに先進国型の産業構造を形成しており、生産額構造や雇用構造も先進国型になっている。第一次産業が占める割合はすでに5%を割り込み、第三次産業の割合が60%を超えようとしている。一方、中国では今なお農業人口が約50%を占め、農村人口は総人口の約60%を占める。

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