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米国より高い中国の燃油価格 消費者に不満の声
発信時間: 2009-06-23 | チャイナネット

中国の燃油価格改革が行われる前、中国の燃油価格が米国よりも高いということはなかった。08年上半期、国債原油価格は1バレル100ドル以上となり、一時は147ドルにまで高騰した。国内と国外の燃油価格が大きく異なるため、中国石油天然気(ペトロチャイナ)と中国石油化工(シノペック)は燃油を生産しても赤字となるだけで、燃油の供給の意欲を大きく減退させた。全国各地では大規模な燃油不足が起こり。供給不足が大きな問題となった。

だが金融危機の影響を受け、国債原油価格は昨年10月から急激に落下した。中国の燃油価格が米国よりも高くなったのはこの時期で、その差は1リットル2元前後を維持してきた。今年5月に入ると、国債原油価格への投機がまた始まり、両国の燃油価格の差は縮小し始めた。

燃油価格の改革は、中国と米国との燃油価格の差を広げる根本的な原因となった。中国政府による燃油価格改革では、道路補修費や橋梁交通費などの別々に徴収されていた税が統一され、価格システムの中に組み込まれた。この結果、国内の燃油価格が突然上がった。発達した米国では、道路の建設や補修にかかる費用がほとんど国家財政によってまかなわれており、ガソリン価格に占める税収の割合が小さい。中国の燃油価格が米国よりも高いのはそのためだ。

厦門(アモイ)大学中国エネルギー経済研究センターが行った最近の研究によると、中国の燃油に対する課税のレベルは米国の2倍に達しており、中国と米国との燃油価格の差を生んでいる。中国の燃油価格には、付加価値税・消費税・都市建設税・教育附加費・道路補修費などのさまざまな税金や費用が含まれている。もっとも道路補修費を除けば、中国と米国のガソリン税はほぼ似たものとなっている。

同センターの研究結果から見ると、中国の消費者の不平には、道路補修費という解決の難しい問題があることがわかる。中国と米国の経済発展レベルにはギャップがあり、中国政府には現在、大規模な道路の建設や補修の費用を単独で出すだけの力はない。税収という方式で一部の費用を調達することは合理的なやり方であり、現状下で最良の選択だと言える。

もっとも、中国の消費者の不平に道理がないわけではない。中国の燃油販売は現在、ペトロチャイナとシノペックがほぼ独占している。二社はこれまでに、南北に分断された市場局面や省と市を分けた経営モデルを形成してきた。このことは経営効率を低下させ、一定の独占利益を形作った。この難題をいかに解き、消費者の不平を鎮めるかは、中国政府の智恵にかかっている。

「人民網日本語版」2009年6月23日


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