英『フィナンシャル・タイムズ』は、「中国は世界経済を救えない」と題した文章を発表した。
中国の経済危機への対応に対する人々の期待は大きすぎるのでなく、小さすぎるのである。大きすぎるというのは、このアジアの大国が世界経済を救う時に発揮できる役割は限られているからである。小さすぎるというのは、中国経済が急激な変化を遂げると信じている人がそれほどいないからである。経済刺激案は中国と世界に有益であるが、真の試練は構造改革にある。
中国の経済危機への対応は正しい
世界銀行は最新の『中国経済四季報』の中で、中国の経済成長率予想を引き上げている。これは中国の経済危機への対応が正しいことを示している。世界銀行は、中国の2009年のGDP(国内総生産)成長率は7.2%に達すると予想している。この数字は2007年の11.9%と比較すると大幅に下がったものの、その他の国からは良好だと見なされている。中国の輸出伸び率は2007年の20%から昨年は8%に低下し、今年は10%のマイナス成長となる見通し。こういった状況下で、中国の実績は並外れていると言える。
経済刺激案の世界への影響は限られている
しかし、中国の経済刺激案の世界その他の地域への影響は限られている。中国の生産高は市場価格で計算すると世界のわずか7%にすぎない。そのほか、世界銀行は中国の今年の実質輸入は5%減少すると予想している。したがって、2009年の中国による世界その他の地域経済に対する影響が占める割合は、世界の生産高のわずか0.1%程度にすぎない。当然、中国は需要を維持する必要がある。予測によると、2009年の中国の財政赤字はGDP比わずか5%で、その上インフレ激化のリスクは少ない。
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